赤ちゃんの動きの癖、見えていても気づかないのはなぜ?
■ 時代とともに標準は変わる?
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赤ちゃんのお座りについて、この頃の子育てでは間違ってるな~と感じる様子が伺えます。
そのことについてお母さんたちに尋ねてみると、間違っているという認識は全くなく、
むしろそれがスタンダードだと思っているようです。
時代が変われば常識も変わるといわれることもありますが、ヒトの発達はいつの時代も同じ。
ヒト自体が変化してはいませんから、そのヒトの育て方、それも基本的なことについては
変わるはずがないのです。
しかし、様々な要因により、子育てをする側の意識が変化してきました。
知らないことは簡単にインターネットで調べられるので、自分で考えることが少なくなっています。
情報が氾濫しているため、惑わされてしまうことも多く、結局何をどうしたらいいのか
分からずに不安に陥ることもあるようです。
■ 早くできるのは良い、まだできないのは遅い?
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みんなと一緒ではないといけない、早いことは良いこと、反対に遅れていることは良くないこと。
だから月齢が同じであれば周りと同じことができていることが普通であるという
誤った認識を持って子育てをしているようです。
例え生まれた日が同じでも、赤ちゃんそれぞれの育ち方には個人差があります。
そこを無視して月齢のみで判断するのはとてもリスクがあることです。
首が座る時期では3カ月~4カ月くらいと約1カ月、寝返りでは4カ月から7カ月くらいと
約3カ月の幅があります。
AちゃんもBくんももうできているという話をきくと、「うちの子は遅いんだ・・」と
焦ってしまう気持ちは分からないでもありません。
しかし、周りと比べるのではなく、今までの様子を振り返ってみるとゆっくり進んで
いるのであれば、焦らずに見守ってみようと考えてもいいのです。
■ 準備期間がないまま早く進んだ子は・・
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赤ちゃんは準備ができていれば、その次の段階に自ら進んでいきます。
その準備に要する期間は個々で異なります。
それは個人差もありますが、生活環境や大人の関わり方によっての差も見られます。
準備ができていないのに、「早く早く」と先に進めようとしたり、何でもいいから
ちょっとできたらそれでいいと安易に考えていたりすることは、大人にとって好都合かも
しれませんが、赤ちゃんにとっては大変迷惑なことなのです。
何事も準備をじっくりしているから本番や応用がスムーズに行えます。
赤ちゃんのからだも準備期間のないまま、次の段階には進めないのです。
しかし、形だけはできるようになります。
それは表面のみできているように見えますが、実は中身は薄っぺら。
近い将来、転びやすくケガばかり繰り返し、やる気のない日々を送ることになるのです。