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なんでも舐める赤ちゃん、親の感覚のズレが危険を招く

福本智恵子

福本智恵子

テーマ:赤ちゃん

■ 赤ちゃんは何でも舐める
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赤ちゃんは何でも舐めます。
首が据わる前には、寝かされているときには左右のどちらかに顔を向けています。
自分の手が顔の前にあれば、その手をチュパチュパと吸ったり舐めたりします。

首が据わるころには、顔は正面を向くことができ、両手を顔の前に持って来ることが
できるようになります。
片手でもう一方の手を包むように持って、眺めてみてから、口に入れて舐めてみる。
しばらく舐めたら、口から離してまたその手を眺めてみる。
そして、また口入れて舐める。

そんなことを繰り返しながら、目の前にある物の存在をそれが何なのかを見て、
舐めて確かめています。
手は口に近いから早くから舐めますが、足は口元からはかなり離れているため、
舐め始めるのは数カ月後になります。
手と同様に、自分の手で足を持って遊んでいるうちに、口に入れて舐めるようになります。
自分の足の存在を自分自身で知ることができるために、足を舐めることは必要な行為です。


■ 汚いからと舐めさせない足
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「足を舐めるなんて汚い」と考え、舐めさせないようにする人がいるようですが、
それは赤ちゃんの脳の発達を妨げてしまう行為です。
赤ちゃんが口にしてはいけない何かが足に付着している場合は別として、ほとんどを
室内で過ごす赤ちゃんの足は舐めても健康に問題はありません。

では、自分の手足以外のものはどう考えますか。
赤ちゃんは何でも舐めることによって、それが何なのかを学んでいます。
大人は口に入れると害がある物は知っていますが、赤ちゃんは知らないのですから、
家庭内にある物を整理整頓しておく必要があります。

以前、ジェル状の洗濯用洗剤を幼児が口にして問題になりました。
色がカラフルで食用のゼリーと間違えたのでしょうか。
赤ちゃんは幼児よりももっと気を付けておかなければなりませんね。


■ 舐めてもいい物、悪い物の判断基準は子どもに影響
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しかし、「赤ちゃんが喜ぶから」、「与えておけば静かにするから」、「しばらく遊んでくれる」
などの理由で、親が物を与えている光景をしばしば目にします。
例えば、家や車のカギ。
赤ちゃんが舐めるのは、キーホルダーのマスコットではなく、カギ本体。
それも差し込む金属の部分を喉に向けて舐めています。

財布を舐めている赤ちゃんもいます。
お札やコインを自分で出すことができれば、当然それらを舐めます。

セミナーや教室などで資料として配布した紙を舐めたり、クシャクシャにしている赤ちゃんも
かなり目にするようになりました。
「この資料は家に帰ったら捨てるのかな」「大して必要だと思っていないのかな」と
思ってしまいます。

大人にとって大事なもの、赤ちゃんには危険なものや汚いものなど、個々の基準が
違うのかもしれませんが、今一度考える必要があるのではないでしょうか。
大人の判断基準が間違っていれば、赤ちゃんのうちから許されているものは、成長したときに
その子どもの判断基準も周りとはズレてくるでしょう。

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福本智恵子
専門家

福本智恵子

Cosmos(コスモス)

「良い姿勢」とは「まっすぐ立つ」こと。それはヒトが生まれたときに遡る。約1年間をかけた発育発達過程を、赤ちゃんから大人まですべての人が学習・実践でき、「良い姿勢」と「効率の良い動き」が作れます

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