仰向けで足を持たない、舐めない赤ちゃん
赤ちゃんを抱っこするとき、どんなことに気をつけますか。
「落とさないようにする」
「ぐずらないように揺する」
「しっかりと支える」
「腰を痛めないようにする」
「お腹に乗せて楽をする」 など
気をつけるのは抱っこをする人なので、大人側の視点で考えることが多いでしょう。
では、赤ちゃん側の視点で抱っこをすると、どんなことに気をつけますか。
「考えたことがない」
「分からない」
という声が聞こえてきます。
大事なことは、
(1) 赤ちゃんが心地よいこと
(2) 赤ちゃんの姿勢が安定すること
そのためには抱っこする人が、どのようなからだの使い方をしているかを考えましょう。
例えば、落とさないようにしようとして腕にギュッと力を入れて抱いている。
私たちのからだの筋肉は力を入れると硬くなります。
腕にギュッと力を入れるということは、腕の筋肉を硬くしていることになります。
赤ちゃんは硬いものによって、ギュッと締め付けられた抱っこを
心地よいと感じるでしょうか。
心地よいではなく、不快だと感じるかもしれません。
不快であれば嫌がる表現をします。
よくあるのが「反り返る」です。
心地よいと感じている時に反り返ることはあまりありません。
腕だけではなく、肩に力が入っても腕全体の筋肉を硬くしていることもあります。
抱っこする際は、肩や首などの赤ちゃんに触れる部分以外もできるだけリラックスして
柔らかいもので赤ちゃんを優しく包むようにしましょう。
赤ちゃんが抱っこされた時の姿勢も、できれば鏡などで見てみましょう。
からだが捻れていたり、傾いたままの姿勢で抱っこをしていませんか。
横抱きで赤ちゃんの片腕を背中に回した抱っこや、縦抱きで片方のお尻だけを
支えた抱っこなど、客観的に見ると捻じれたり傾いたり。
私たちはからだの真ん中に軸があります。
これは重力のある地球で生きていく上ではとても重要な意味を持っています。
平らな床に立っている時は感じないけれど、斜面に立つと地面に対してまっすぐではなく、
重力を感じる方向にまっすぐ立とうとします。
これは自然な働きです。
地盤や基礎が傾き、床が斜めになってボールが転がる欠陥住宅に住んでいると、
体調がおかしくなったなどどいう話を聴くことがあります。
抱っこされた姿勢が常に斜面に対してまっすぐになるような姿勢、
つまり、傾いたままの姿勢で抱かれていたら、欠陥住宅と同じようなことを
からだは感じていることになります。
心地よくない、安定しないことは姿勢とともに情緒の安定にも関係してきます。
反り返る、よくぐずるなどの場合は、抱っこをする大人側のからだの使い方を
今一度見直してみましょう。
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