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BCP(事業継続計画)の簡易的な導入

田丸伸二

田丸伸二

テーマ:リスク管理・リスクマネジメント

「BCPという言葉は聞いたことがあるけれど、自社にはまだ早い。」
そのように感じている経営者の方は少なくありません。
BCP(事業継続計画)は立派なマニュアルを作ることが目的ではなく、「もしもの時に会社を止めないための準備」をすることです。中小企業のリスク管理・リスクマネジメントとして、まずはできることから始めることが大切です。

BCPは「すべてのリスク」に備えなくてもよい

BCPというと、あらゆる災害や事故を想定した分厚い計画書を思い浮かべるかもしれません。しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。
まず考えたいのは、「自社にとって起こる可能性が高く、発生した場合の影響が大きい出来事」です。

例えば、
 •大規模地震による事務所の被災
 •主要取引先の突然の倒産
 •基幹システムやパソコンの長時間停止

このように、自社にとって特に重要なリスクを一つか二つ選ぶだけでも十分なスタートになります。

最低限続ける業務を決めておく

災害やトラブルが発生した際、すべての業務を通常どおり行うことは難しい場合があります。
そこで、「会社として最低限継続しなければならない業務」を整理しておきましょう。

例えば製造業であれば、
 •主要顧客への納品対応
 •仕入先との連絡
 •従業員への給与支払い
サービス業であれば、
 •お客様への連絡
 •予約情報の確認
 •必要最小限の営業体制の維持

このように優先順位を決めておくだけでも、緊急時の判断がスムーズになります。

低コストでできる備えも多い

BCPは多額の費用をかけなければできないものではありません。

例えば、
 •緊急連絡網を最新の状態にしておく
 •重要なデータをクラウドへバックアップする
 •ノートパソコンを使って社外でも仕事ができる環境を確認する

こうした取り組みは大きな投資を必要とせず、実際にトラブルが発生した際の混乱を大きく減らすことにつながります。年に一度、「明日から出社できない」と仮定して連絡や業務の流れを確認してみるとわかりやすいのかも知れません。

「できることを一つずつ」が会社を守る

リスクは、いつ発生するか分かりません。しかし、事前に少し準備をしておくだけで、会社や従業員、お客様への影響を小さくできるケースは数多くあります。

BCPは完成度を競うものではなく、「事業を続けるための備え」を積み重ねることが目的です。
まずは、自社にとって最も心配なリスクを一つ選び、「何を優先して守るか」を考えることから始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、将来の大きな安心につながります。

※テーマ別コラム
バックオフィス
リスク管理・リスクマネジメント
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田丸伸二
専門家

田丸伸二(中小企業診断士)

たまる中小企業診断士事務所

30年以上の管理部門経験を持つ中小企業診断士が、中小企業の内部統制・リスクマネジメント・コンプライアンス教育を支援。ガバナンスを整え、中小企業の経営改善と持続的成長を実現します。

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