認知症のお袋の尊厳を一番大切にしてやりたい

小橋広市

小橋広市

テーマ:認知症介護者の憂鬱

「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。

女性と本のイメージ


ここから2015年2月5日の話


昨日、いつもお世話になっているヘルパーさんから電話があった。 そのヘルパーさんから電話があると、いつもギクッとする。

内容を聴いてみると、ここ数日、お袋が怒りっぽくなっていてちょっと気にさわると他のヘルパーさんに「もう来んでええ」 などと言いだしたそうだ。

ヘルパーさんの話では、お袋が拒否したヘルパーさんは、口調が強いので、お母さんが叱られているように感じるのではないかと言っていた。お袋は誰でも受け入れる性格だったのになぁ。

認知症が進行していることに加えて、この季節は認知症患者の感情の変化が激しいそうだ。孤独感が強まるのか、最近、しきりに「寂しい」を連発する。

ヘルパーさんいわく、認知症になるとワガママになり感情が抑えきれないので、お袋の尊厳を守りながら子どもに接するようにすれば良いそうだ。


ここ最近では珍しく、お袋がひとりで近くのスーパーに買い物に行ったらしい。買ってものは豚肉にちくわ? お袋の好きなものではないが、本人が自分で外出することに意味があったとヘルパーさんは言う。

お袋のクセは財布の中の1000円札を色んなところに分けて入れている。小銭がどんどん増えていっているが、認知症になると計算ができないからか小銭は使わないそうだ。まぁ、色々と問題は出てくるが、デイケアに行くのは楽しみにしてくれている。


ここから現在


この頃、ひとりで外出できていたことが、今のお袋の状態と比べると幻想のように思えます。計算ができないものだから近所の魚屋で、超高い買い物をして帰ってきていたのを思い出しました。

そうそう、文中に書いていた「子どもに接するように」は、子ども扱いするということではなく、感情豊かで素直な子どもとコミュニケーションを取るようにという意味です。

ヘルパーさんの中には、これを誤解している人がいます。認知症の方にまるで子どもを叱るようにコミュニケーションを取っています。母親を子ども扱いされて喜ぶ家族はいません。また本人もその辺はよく分かっています。

認知症と分かると、離れていく人、優しくしてくれる人、利用する人、様々な人間模様を観ることができます。今まで観えなかったものまで観えてしまうのは少し残酷な気がします。と言っても本人は気づいていませんが(笑)


あなたにも気付きがありますように



【小さな実践】
過ぎてしまえば楽しいことも苦しいことも、同じ想い出として刻まれる


 

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小橋広市(講師)

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