高齢化社会と病院

小橋広市

小橋広市

テーマ:認知症介護者の憂鬱

「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。

森と湖

ここから2014年9月8日の話


テニスの4大大会の最終戦、全米オープン男子シングルスの準決勝で96年ぶりにベスト4入りした錦織圭(24)世界ランキング1位で過去に4大大会を7度制したノバク・ジョコビッチ(27)を降して、男女を通じて日本で初めて4大大会の決勝に進みました。

これは快挙と言うと失礼かも知れませんが、錦織氏の試合前の状態を考えるととんでもないことで、 何がなんでも優勝してほしい気持ちです。

さて、先日、セカンドオピニオンで、お袋の過去数ヶ月間の検査データを持ってある病院で診てもらった結果、やはり輸血する段階にきているという結果でした。

その翌日、元の病院の主治医に詳しく「輸血」の説明を受けた結果、輸血することに決定。今回の輸血の件を簡単に言うと、貧血になる原因を検査したいが血液量が少なく検査に危険が伴うということで、輸血をしてしばらく様子をみるとのことでした。

当日は9時15分に処置室に入り、検査→輸血と終わったのが14時。その間、彼女は昼寝をしていたようで、輸血が終わった時のお袋は「ここは何処?、あなたは誰?」状態でした(笑)

さて、ここからが今日の本題です。

お袋の輸血を待っている5時間の間、待合室で本を読みなら、人間ウォッチイングをしていました。土曜日なのに患者さんの80%が高齢者で、たまに来る若い人は整形外科の受診でした。

これから高齢化してくると、医療費の問題もありますが、病院のあり方も変わってくるように思います。高齢者は付き添いの方と一緒に病院に通う場合が多くなりますが、実際問題として座る椅子や車椅子でいるスペースがないのです。

昔、二度ほど病院の設計をしたことがあります。病院の設計は、診療科目により使用する器具やスペースが違うので、専門的な設計フォーマットを基に計画します。

医療技術も進み、検査器具も大型化しているので、総合病院として最低限の設計基準を満たしていなければいけません。

しかし、これからの高齢化を考慮すると、病院のハード(建物)とソフト(人)の基準を見直す時期にきていると思います。さなければ、病院の語源であるホスピタリティからは、いずれ機能しなくなるでしょう。



ここから現在


私が病院を設計した頃の病院の規模は、診療科数や病床数、検査などの規定が医療法によって定められていましたが、1997年の同法の改正で「総合病院」の規定がなくなりました。

規定はなくなりましたが、内科や外科以外に各種診療科が設けられ、病床規模もある程度大きく、救急診療を実施していることで「〇〇総合病院」を用いている医療機関は多数あります。

しかし、現在のように圧倒的に高齢者の入院や通院が増えている現状を考えると、ハードを考える上で総合病院にこだわるより、基本診療が行えるハブ専門病院として地域に分散し、ソフトの方も行政や法的な仕組みも大きく見直す時期にきていると思います。


参考になれば幸いです。



【小さな実践】
地域医療の一貫として、患者側の立場として訪問医療のメリットとデメリットを考えてみる


 

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小橋広市(講師)

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