高齢化社会と病院
「遠距離認知症介護者の日記」のテーマの記事は、お袋が認知症になった初期の頃を記録として残すためにアップしています。
ここから2014年3月20日の話
今のところ、お袋の方は大失態がないので、ご近所の挨拶回りをしてきた。思った通り、近所の人の反応は、挨拶などでお袋の変化には気が付き遠巻きに俯瞰しているようだった。
朝夕、食後に認知症の進行を遅らせる薬を飲んでいるが、何分、一人住まいなので、電話で飲んだかどうか確認すると、飲んでないのに飲んだと言ったり、飲んでいるのに飲んでないと言ったり。
飲んでいる薬はレミニールOD錠4mgを服用。この薬は新薬でレミニールは、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用に加え、アロステリック増強作用をあわせ持つのが特徴らしく軽度から中等度のアルツハイマー病に適応しているらしい。
先日、友人が認知症に効果的と言われるアロマ精油をプレゼントしてくれたので、早速、お袋に試してみた。お袋は香水系の香りを極端に嫌うので、どんな反応をするか不安だったが、どうやらアロマは気に入ったようだ。
二種類のアロマを、お袋の手首と枕に吹きかけ、朝起きた際に感想を聴いてみると、深く眠れたそうだ。友人には本当に感謝している。
ネットで大脳とアロマセラピーの関係を調べてみると、アロマセラピーによる精油の一般的な利用方法で、芳香浴に代表されるように精油成分が嗅覚を介して大脳に働きかける作用は非常に重要だそうだ。
嗅覚は、視覚や聴覚などの他の感覚と違い、大脳新皮質を経由しないまま直接大脳辺緑系に到達する。
アロマセラピーは、精油の香りを嗅ぐことで嗅覚を通じて香りの信号が大脳辺緑系から視床下部に伝えられ、自律神経を整えて身体の機能を調整する自然療法ということ。
心地よい香りが大脳辺緑系に働きかけ、楽しい記憶を引き出したり、気持ちが落ち着いたり、元気になったり、リラックスしたり、又、悲しみに耐えられるようになったりという心理的な効果があるという。
アロマセラピーは、機能単位である大脳辺緑系の特徴を有効に活用して行える癒しの方法とのことで、私も試してみたが、寝起きが清々しく感じて中々良い。
少し話しが脱線するが、人間には大切な五感、「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」があり、それぞれが脳神経に直結している。
人のタイプは大きく分けて「視覚タイプ」「聴覚タイプ」「身体感覚タイプ」の3つがあるが、私の場合は「嗅覚タイプ」で生活習慣に大きく関係しているので又の機会に詳しく話しましょう。
ここまで
以前、お伝えしたことがありますが、人は色んなカタチで記憶のトリガーがあります。例えば私の場合は、昔、よくデートした場所のロケーションを観ると、当時のことが昨日のことのように蘇ってくる視覚トリガー。
カーペンターズのイエスタデイ・ワンス・モアを聴くと、フルートを習い始めて頃の光景が蘇ってくる聴覚トリガー。金木犀の香りを嗅ぐと、小学生の頃のガキ大将だった数々の出来事が蘇る嗅覚トリガー。
嗅覚や味覚、触感などは身体感覚なので、お袋の味というのは味覚トリガーです。このように人間の五感は記憶センサーなので、認知症になっても初期なら昔の記憶を呼び起こしてくれます。
もし、あなたのご家族が初期の認知症と診断されたら、本人の昔の写真を見ながら、本人の口から昔話を語ってもらうと認知症の進行を穏やかに遅らせることができます。
現に、2014年の頃、初期の認知症だったお袋と話した昔話は、認知症がかなり進んだ現在でも、写真を見ながら話すと思い出してくれます。
参考になれば幸いです。
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「私の顔は感情のトリガー」
認知症になっても感情は最後まで残る
◇「人は五感を使うのを忘れる退化する」
アンカリングは五感のトリガー
【小さな実践】
記憶の思い起こしに五感を使うためには、記憶の定着に五感を使うトレーニングを行う