打合せ時の遠慮はろくなことにならない
悪習慣の錯覚
ファミレスで食事している時、隣の席の60代の女性2人が話していることが耳に入ってきたので、その内容をお伝えします。
二人の女性の職場は長年経営している士業の事務所で最近、二十代の女性を中途採用したそうです。中途採用の女性はA子さんといいます。
その事務所は何年も片付けたことがなく書類や本が山積み状態だったらしく、A子さんは、入社した早々、頼みもしないのに事務所内の片付けを始めたらしいのです。60代の女性はそれが気に入らなくてA子さんにこう言ったそうです。
「A子さん、片付けてくれるのは嬉しいけど、どこに何があるか私らは把握しているので勝手に片付けんといて」きっと入所したA子さんにとって事務所内が耐え難い惨状だったのでしょう。
当たり前になっている悪習慣は、このような例外的な出来事がきっかけで良い習慣に変わることがあります。せっかく新人のA子さんが例外的な風を送り込んだのに、この事務所はこれからも山積みの中から書類を探すのでしょう。
きちんと整理されていれば作業効率が上がります。60代の女性の言うことも分かりますが、長年、何事もなくやってきたことが正しいとは限りません。
これは住まいにも言えます。
新築なのに住みたくない
長年住み慣れた家はホッとします。しかし、居心地が良い家と言えるかどうかは別の話です。建築専門家は住人が求めている家を作ります。しかし、住人が求めている家は、長年住人側が住みにくい家に合わせた「悪習慣住宅」かもしれません。
悪習慣は慣れてしまうと苦痛に感じないので、将来、身体に支障を及ぼし、知らず精神的なストレスがかかって様々な病気を併発します。住人は慣れてしまった悪習慣住宅を「住み心地が良い」と錯覚している例が多いのです。
建築専門家は、リフォームや新築工事において、あなたの理想を叶えるために入念な打合せをして設計・施工するので問題はないはずです。しかし、あなたが入居してしばらくすると、思い描いた理想の住まいに程遠く、「こんな家住みたくない」と新築ブルーになることが実際にあります。
何故、このようなことになると思いますか?
理由は、専門家もあなたも「新しさ」だけにフォーカスしているからです。本来、大切なのは、あなたの家族が長年暮らして身についた生活習慣を、家族全員の潜在意識から掘り起こし、悪習慣と良習慣を明確に理解し区別していないからです。
つまり、あなたと家族の価値観や潜在的に居心地が良い空間イメージを、建築専門家が計画時に「見える化」していないのです。こうしたことを「見える化」する専門家が、あなたと建築専門家の間に入って橋渡しする「住環境習慣コンディショニング」のスキルを持ったコーチです。
住環境習慣コンディショニングコーチは、あなたと家族の悪習慣を専門的な立場から見直し、新しい環境に沿った良い習慣として取り入れます。そして成長とともに変化する住環境や家族の関係性と整えながら継続的に家族と関わりを持っていく専門コーチです。
新築・リフォームは高い買い物。後悔しないためにも是非、参考にして下さい。
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「人80%モノ20%」
住まいのスペースの優先順位は人かモノか
【小さな実践】
現在の住まいにおいて、家族の気配を感じる間取りかどうかと、生活面で悪習慣の原因になっている場所を思いつく限り書き出してみる