安全靴で外反母趾や内反小指になる?
「親指が痛い!」と来店された30代位の女性。
履いていたのは中ヒールのパンプスでした。
細いシャープなデザインのつま先部分に空間があるのが分かります。
足先が入っている場所から急に型崩れしています。
足指の跡が靴にはっきりと表れていました。
「親指の付け根が痛いのですか?」とお尋ねすると、
「いえ、親指の先が痛いのです・・・。」と女性。
靴を脱いでもらって足を拝見すると、親指の脇が赤く腫れています。
「ああ、これは靴に押された親指の皮膚が爪に食い込んでしまっていますね。陥入爪になりかかっていますよ。これは痛いよね・・・。」と私。
「どうしたらよいのでしょうか?」と女性。
「まず、雑菌が入って化膿しないように消毒して、このパンプスを履かないようにしないとね・・・。」と私。
「ええ?・・・。どうしよう・・・。」と女性。
「あなたの足は親指が一番長く、太くて厚みがあるんです。それで、つま先の細い靴では親指の脇が圧迫されて皮膚が爪に食い込み易いんです。だから、足に合った靴に替えて親指のプレッシャーを取り除かないとどんどん痛みが酷くなりますよ・・・。」と私。
「わあ、どうしよう・・・。」と女性。
困っていらっしゃるようなので、パンプス風の健康靴を紹介することにしました。
女性の足長を計測すると24.7cmでした。
そこで、25.0cmの健康靴を履いて歩いて頂きました。
「痛くないです!普通に歩ける!」と女性。
「親指にプレッシャーが掛からなくなったから、皮膚が爪に食い込まなくなったんですよ。」と私。
「ああ、でも、つま先に力が入るとまだ少し痛いです。」と女性。
「歩く時は親指で地面を蹴り出すから、爪は指先に力が入るように硬く出来ているんだけど、どうしてもその力が皮膚に加わるんだね・・・。親指の腹が地面を蹴り出す時の力が皮膚と爪にプレッシャーを掛けるからまだ少し痛いんだよ。」と私。
「長い時間歩くと、また痛くなってきますか?」と女性。
「そうだね・・・。今は親指の脇が腫れているから、ちょっとした力が掛かってもまだ痛いよね・・・。こういう場合には健康靴のフットベッドインソールの親指が乗っかる部分にクッション材を埋めて蹴り出しの力を吸収すると痛みが軽減するんだけどね・・・。」と私。
「わあ、どうしよう・・・。健康靴って高価ですよね。」と靴の値札を見る女性。
「確かに高価だと言われるけど、普通の靴と違って、インソールと靴の両方にコストが掛かっているからねえ・・・。」と私。
考え込んでいる様子の女性。
「仕事が出来なくなると困るので、思い切って買います。外回りの仕事だから、足が痛いと本当に辛いんです。」と女性。
「それじゃ、5分待ってくれる? 親指が乗っかる部分にクッション材を埋める加工をしてくるから・・・。」と私。
5分後、加工が終わった健康靴を再び履いて歩いて頂きました。
「わあ、本当に痛くなくなった! 全然痛くないですよ! おじさん、凄いですね・・・。」と女性。
「そう、よかったねえ・・・。オジサンも嬉しいよ。」と私。
女性はそのまま健康靴を履いてお帰りになりました。
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