中足骨骨頭痛(ちゅうそつこつこっとうつう)
当相談室にご来店される方のおおよそ8割が、55歳以上のご婦人なのですが、ごくたまーに20代前半の女性もご来店される事があります。
ここ最近流行の起毛素材のベージュのハーフブーツを履いた女性。
「ちょっと靴を見せて下さい。」と言ってご来店されました。
足元を見ると、見事に両足首が体の内側に倒れ込んでいました。
「どんな靴を探しているのですか?」と私。
「足に合う靴がなかなか無いので、ここで足に合う靴を作ってくれるよと聞いたので、どんな靴があるのかなと思って・・・。」と女性。
本当は、足の事から説明する方が良いのですが、若い女性はどうしてもデザインを先に決めてからでないと、足の話に移れないという場合が多いのです。
「この靴、履いてもいいですか?」と女性。
プレーンな茶色の紐靴を気に入ったようです。
「では、足のサイズを計測しましょう。」と私。
履いていたハーフブーツを脱いでもらって、足を計測しましたが、足首は強く内側に倒れ込み、舟状骨という骨が土踏まずの上に突き出しているのが分かります。かなりの扁平足かもしれません。
適正サイズの靴をお出しする時に、「かなり足首が不安定になっているようだから、少しサポートしてみましょうか?」と言って、足首を支えるパーツを組み込んで履いて頂きました。
「わあ、凄く履き良い・・・。ピタッと足に吸い付くみたいです。」と女性。
「足を支えると気持ち良いでしょ? 体全体が安定するから疲れ難くなると思いますよ。」と私。
「でも、この靴、高いですよね・・・。」と女性。
「そうだね・・・。それはその通りだよね・・・。一般の靴と比べたら高いよね・・・。」と私。
「履き良いけど・・・。やっぱり手が出ない・・・。」と女性。
「ごめんなさいね・・・。しっかりした靴を作ると、どうしてもコストが掛かっちゃうし、手作業の割合が多くなるしで、採算を合わせるとこんな値段になっちゃうのが現実で・・・。」と私。
「ああ、分かってます。お金を貯めてから作りに来ます!」と女性。
凄く実直な言葉に、嬉しいような申し訳ないような複雑な心境の私でした。
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