片麻痺と健康靴

小黒健二

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テーマ:足と靴

脳梗塞の後遺症で右半身に軽度な麻痺がある70代半ばの御婦人。
相談室の前にお車を停められ、ご家族の方が介助してゆっくり、ゆっくり歩いてご来店頂きました。
息子さん御夫婦とお孫さん、そして御主人が付き添ってこられました。

本日、履いて来た靴は、超軽量のお洒落な感じの紐靴でした。
例によって、紐は結びっぱなしで、締めて履いている形跡はありません・・・。
つま先のスリムな靴を選んだために、サイズは明らかに大きすぎるように感じました。

麻痺のために、右足は足首が外側に倒れやすく、指先に力が入らないため、地面を引き摺るようにして歩いてしまいます。
また、外反母趾が強く、右足の親指は第2指の下に潜り込んでいました。
軸足になる左足も、麻痺の後遺症のためか、少しピクピクと脈打つ感じで、動きに滑らかさがありません。
御主人とお話をしているうちに、脳梗塞を起こす前の御婦人は、洋裁やウクレレ、社交ダンスやカラオケ等、幅広いご趣味をお持ちの活発な方だったようです。
ご自分の趣味を生かした行動を生活の中に取り戻す工夫をしながら、その行動が体の機能回復に繋がるリハビリテーションとなれば良いのですが・・・。

さあ、いよいよ健康靴に簡単なサポートを組み込んだテストシューズを履いて歩いて頂くことになりました。
少し介助して歩いて頂くと、明らかに早く歩いています。
靴のつま先が引っ掛からなくなったので、歩幅も大きくなりました。
何よりも体が安定して、自立が容易になりました。

「この健康靴をお家の中で履いて、歩く練習をする事がスタートラインだと思いますよ。」と私。
「なるほど、それが良いかな・・・。幸い廊下が長いので、歩行練習にはちょうど良いねえ、ねえ、お母さん。」と御主人。
「毎日、少しづつ歩く練習をして、自信がついたら家の外周りを歩いてみるようにしたらどうでしょうか?」と私。
こっくりと頷く御婦人。

こうして軽度な片麻痺の御婦人に健康靴をお作りすることになりました。
40分後、出来上がったばかりの健康靴に履き替えて、お孫さんと一緒に車の後部座席に座った御婦人の笑顔がとても印象的でした。

「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/
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小黒健二
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小黒健二(シューフィッター)

有限会社ロビンフット

足のトラブルの原因は様々ですが、病気や事故が原因でなければ、多くの場合が生活習慣による足の筋力の低下によるものです。「足のカウンセリング」は、生活習慣の見直しと運動による自己管理もアドバイスします。

小黒健二プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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