外反母趾がさらに悪化した御婦人

6年程前に当相談室で健康靴をお作り頂いたという御婦人がご来店されました。
「お宅で作ってもらった靴を3年位は履いていたんだけど・・・。また普通の靴を履き始めたら、外反母趾が酷くなってきちゃったの・・・。」と御婦人。
以前のデータと比べても、外反母趾、足裏のタコ、足首の歪み、骨盤の歪みと全ての状態で悪化しています。
特に外反母趾の状態は以前と比べて、親指が第2指の下に潜り込んでしまっています。
そのために第2指の指節関節にタコが出来ていました。
さらに、足裏のタコ、角質も強くなっています。

現在の状態を考慮して、新しい健康靴を提案しました。
「ええ、こんなんじゃないと駄目なの？ もうちょっとデザインのスッキリした靴がいいんだけど・・・。」と御婦人。
「でも、今の足の状態では、この靴が一番負担なく歩けるはずですよ・・・。」と私。
「ああ、とうとうこんな靴しか履けなくなっちゃうんだ・・・。」と御婦人。
「まあ、とにかく歩いてみて下さい・・・。」と私。

新しい健康靴に仮のサポートを施したテストシューズを履いて歩く御婦人。
「歩いた感じはどうでしょう・・・？」と私。
「そりゃあ楽よ・・・。全然痛くないもの・・・。意外と軽いしね・・・。でも、デザインが気に入らないの・・・。」と御婦人。
「良薬口に苦しですよ・・・。でも、足の調子が良くなってくれば、デザインよりも履き心地の満足の方が勝つんじゃないかと思いますよ・・・。」と私。
「そうかしらねえ・・・。でも仕方ないわよねえ・・・。じゃあ、この靴にします・・・。」と御婦人。

お気に入りのデザインの靴がさらに悪化させた外反母趾。
でも、その傷めた足を癒すのは、ご本人の気に入らないデザインの靴なのでした・・・。
足と靴との関係は矛盾に満ちています・・・。

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