足の痛みと履きたいデザインの狭間に揺れる女性の気持ち・・・
「ちょっとお伺いしたい事があるのですが・・・。」と言ってご来店された若いお母様。
「何でしょうか?」と私。
「知り合いに足の事に詳しい人がいるのですが、子供にはちゃんとした靴を履かせた方がいいよって言われたんです。」と若いお母様。
「その通りだと思いますが、現実にはなかなか難しいでしょうね。」と私。
「そうなんですよ。その人は自分の子供に外国製の高価な子供靴を履かせているのですが、私達庶民には、なかなか手がだせないですからねえ・・・。」と若いお母様。
「う~ん、靴に拘ることは間違いではありませんが、その前にきちんと解消しておかなければならない事が山ほどあるんですけどねえ・・・。」と私。
「お子様の足の健康のために足に良い靴を選んで履かせてあげるのは良い事だと思いますが、その前に足の健康にとって必要な生活習慣を身につけさせることが重要だと思います。」と私。
「どういうことですか?」と若いお母様。
「靴の正しい履き方や正しい歩き方を身につけなければ、いくら道具としての靴が良くても、その道具の使い方一つで効果が発揮されないことが多いからです。」と私。
「えっ? 足に良い靴を履くだけじゃ駄目なんですか?」と若いお母様。
これは話が長くなりそうだなと感じたので、まず、お母様自信に直接アドバイスをすることにしました。
「今、履かれているスニーカーですが、靴紐をユルユルにして履かれていますので、足に負担が掛かっていますよ・・・。」と私。
そして素早く右足だけ靴紐を締めなおしてさし上げました。
「ちょっとその状態で歩いてみて下さい。」と促す私。
店内を歩き回る若いお母様。
「どうですか? 右と左で履き心地に違いがありませんか?」と尋ねる私。
「右の方が足が軽くなって気持ちいいみたい・・・。」と若いお母様。
「そうでしょ? だから、正しい靴の履き方を身につけないと、足の健康にとっては片手落ちの状態なんですよ・・・。」と私。
「じゃあ、いったいどうしたら良いのですか?」と若いお母様。
「ですから、高価な靴かお手ごろな価格の靴かで悩むよりも、正しい靴の履き方を身に付けたり、正しい歩き方を教えることの方が、優先されるべきではないかと思うのです。」
「でも、小さな子供に紐靴を履かせるのは無理だと思いますが・・・。」と若いお母様。
「では、マジックベルトの靴を正しく履くように教えればいいと思いますよ。」と私。
「・・・・・。」黙り込んでしまう若いお母様。
子供の足の健康を守るには、日本では生活習慣の見直しを迫られてしまうので、相当な覚悟が必要です・・・。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/