足の痛みと履きたいデザインの狭間に揺れる女性の気持ち・・・
お母様に連れられて、20代前半のお嬢さんが少し足を引き摺りながらご来店されました。
お母様曰く、OL風のスーツ姿で颯爽とした格好のお嬢さんに似合う、痛くならずに履いて歩ける靴を探しているとの事。
ヒール高3cm位のつま先のシャープなデザインのプレーンパンプスを履いているこのお嬢さんの足には、巻き爪と外反母趾の痛みがあるのだそうです。
足長を測り、簡単に足の状態を調べてからお薦めしたのは、足のアーチを支えるフットベッドを備えた健康靴の中でも、スーツなどにも合わせやすい???黒のカッターシューズタイプ。
この靴は、マジックベルト式のストラップが足首で足をホールドするので、足が靴のつま先に滑り込むのを防ぎ、充分の厚みと広さがある靴のつま先が足の爪や指先を圧迫することなく、巻き爪や外反母趾の痛みを軽減します。
「履き心地はいかがですか?」と私。
「窮屈なところが全然ないです!」とお嬢さん。
つま先がナチュラルフォームですので、外反母趾や開張足になった足の指先を束縛せず、歩くたびに足指を動かせます。
また、日本人の標準の足のデータを基に設計されたフットベッドインソールが、足のアーチや骨格を支えて、荷重の負担を軽減します。
靴の中で砂浜を裸足で歩く時のように、足が運動を促されますので、足の筋力が自然に鍛錬されます。
筋力が鍛えられれば、外反母趾や開張足を改善する運動療法の効果が期待できます。
欧米の靴の歴史はファッションの歴史でもあります。また、ヨーロッパにおいては、靴は貴族階級の権威の象徴であった時代もあります。
靴のデザインの美しさは、尖ったシャープなつま先やヒールの高さや細さで競われた時代もあります。
現代においても、特に婦人靴のファッション性は、シャープなつま先やヒールの高さがポイントである場合が多いようです。
けれども、人の足の形状は本来、つま先がやや広がっているのです。その足を無理矢理に、つま先の細い靴に押し込んで歩いているのです。
これでは、足のトラブルが起きないほうが不思議です。
さて、話をお嬢さんの靴のことに戻します。
目は喜ばなかったのかもしれませんが、足が喜ぶこと間違いなしの「健康靴」の購入を決断されたお嬢さん。
「このまま履いていきます。」とのこと。
よっぽど足が辛かったのでしょうね・・・。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/