前略 墓の中から 第1章 約束が違う!さだ子の嘆きその2
結構な広さなのでとてもゆとりを感じる空間なので今のところ過ごしにくいことはまだない。
ただ気になるのは自分より下にいる方達だ。
彼らに話を聞けばもしかしたら何かがわかるかもしれない。
「失礼ですが、あなたはどういったきっかけでここに来たのですか?」
「ああ、最近ここに落ちてきた方ですね。私もそう長くはないけど同じ疑問をもって前に入っている人に同じこと聞いたよ。でもわからないんだ」
「え?同じということは、生前の自分の記憶とか名前も全部きえてしまったのですか?」
「ああ、そうだよ。どうやらそういうところらしい」
今までの生き様や名前もわからない人が来るところなのか、ほかに理由は無いのか。
ただただそれが気になる。
数日に1回、上部の丸いふたが開き太陽の明かりがさしこむときに聞こえる外の声を聞けばなにかわかるかもしれない。