前略 墓の中から 第2章 団塊の階段上る ヒロシの気付きその3

大橋理宏

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テーマ:故人の気持ちになってみた

息子さんの掌に抱かれ墓地に到着。

「以前と変わらずきれいに管理されている。よかったよかった。
だけど隣なにやら大きな建物ができているな」

隣にできていたのは1年前に完成し募集開始となっている、施設内でお墓まいりができる堂内墓というスタイルのものだ。
立体駐車場のように呼び出すとご遺骨と家名が彫ってある石版が目の前に現れるタイプ。

「時代は進んでいるんだな。驚いた。
求めた当時はこれが最新だと思っていたのに」

生前新しいもの好きであった、ヒロシはちょっと隣の設備がうらやましく思えた。

「おやじの墓はこっちの手前なんだって。外で御参りじゃ雨の日とかもこまるよな」

息子と親戚とが会話している声を聞き、ちょっと悔しい気持ちになった。

読経が終わりいよいよ納骨です。

担当者の声が聞こえる。

「それではこれより〇〇ヒロシ様の納骨となります。この設備内はいわゆるお墓の中です。普段はなかなか入れませんので」

あの頃と同じこと言っているなとヒロシはちょっとおかしくなった。

「では中に進みますが個別棚(ロッカー)の間の通路は狭くなっておりますので御一方ずつ確認をしてください」


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大橋理宏
専門家

大橋理宏(石工技能士)

株式会社大橋石材店

神奈川・横須賀でお墓コンサルタントとして活動。「終活」全般の悩みを的確に答え、相談できる先など悩みを解決。お墓に関する悩みは特に実績があります。生前予約の墓じまい「お墓のみとり@」を主宰

大橋理宏プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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