コラム
仁義なき北極の海
2018年2月20日 公開 / 2018年5月29日更新
前回のコラム「今回の記録的大雪は天災? それとも人災? 」で、地球温暖化の影響で北極の氷が溶けることにより著しい気候変動が発生しているとのでは? という点を問題提起致しました。
地球温暖化影響でいままでは夏期も氷に閉ざされた北極海が、その氷が溶けることによって新たに北極海航路が開かれることとなり、欧州と東アジアを結ぶ最短の海上航路が生まれました。
近年はその航路が東南アジア、インド、中東経由の航路に比べ、はるかに短い距離の航路のため急速にその存在が注目されています。
日本だけでなく、ロシア、中国、韓国等が、この航路に対してインフラの整備等の投資を積極的に推し進め、「仁義なき北極の海」と化しています。また、その北極海の眠る豊富な資源の獲得も、もう一つの背景があります。
しかし冷静に考えると、本来は航路があってはいけない北極の海に、「航路が出来た、それによって大きな経済効果が生まれる」と、短絡的に喜んで良いのでしょうか?
例えるならば、金沢に雪が降らなくなったから兼六園の「雪つり」は不要となり、その設置と撤収コストが削減される・・・ことと同じように筆者は考えます。
今回の記録的大雪も一元的な視点で考えるのではなく、地球温暖化が色々な形を変えて私たちの生活にじわじわと悪影響を及ぼしていることを、いま一度認識する必要があると思います。
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