夏至〜陽の極み〜
きょう、11月23日は新嘗祭(にいなめさい)です。
農耕文化を基盤としてきた、日本にとって
大地から頂いた実りを神様にお供えし、五穀豊穣を感謝する大切な祭祀です。
天皇陛下が宮中で、田植えや稲刈りをなさる様子を
報道で拝見いたします。
きょうは、宮中ではその刈り入れされた新穀を、
天皇陛下自ら天地の神々にお供えされ、召し上がられるお祭りがされます。
これは豊穣を祈る、祈年祭(2月17日)とともに、とても大切な祭祀として
全国の神社で大祭として、催行されています。
今は、パン食中心の方もいらっしゃると思いますが
日本人にとって、お米をはじめとする穀物はとても重要な主食です。
そのため、その稲作に関する伝承や行事もたくさんあります。
田の神さまに感謝し、家にお招きしてもてなされる地域もあります。
羽黒山山伏 星野文紘氏の著書『感じるままに生きなさい』には
大変興味深い、稲魂(いなだま)の話が書かれています。
それは、冬の峰修行の時に体験されたことだそうです。
「冬の峰」といわれる、地元山伏の百日行の時に
興屋聖(こうやひじり)を置いて勤行をされます。
*興屋聖というのは、
稲で作られた祠の中に、穀物(五穀・稲籾など)が入れられているもの。
勤行を続けられ、祈りの力が強まってくるうちに
その、祠の中の稲魂とご自身が一体になる感覚を持たれたのです。
『稲籾には稲の魂、稲魂があるし、穀物には穀霊(こくれい)がある。
自分の魂と稲魂を一体化させる。
昔はそうやって稲魂を引き出した稲籾を、種籾(たねもみ)のなかに混ぜて
ほかのものにも魂をつけ、それを田んぼに植えた。〈中略〉
魂の入った稲が里の稲になり、その稲がまた次の稲を生んでいく。
そうやって秋になって稲が実ると、収穫してお祭りをする。』
引用・参考)『感じるままに生きなさい』 さくら舎 2017年1月15日第一刷
最初に 星野氏の話を聞かせていただいた時に、心震えたこの稲魂の話を
改めて本の中で出会えた時、それはたいへんな喜びでもありました。
他の伝承者の方にも、この稲魂をつける人のことは伝承されていることも解りました。
かつてあって、しかし今は途絶えたと思われることも、このようにしっかりと残っていてました。
『祈りというのは、見えないものが見えるのだろうね。』
とも、書いてありました。
「祈り(2017-08-07)」
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/61963/
「とんぼ(2017-08-15)」
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/62033/
「世界を平和にするための暦(2017-08-17)」
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/62041/
コラム一覧 :The Sence of Wonder
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/?jid=1100