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サービス残業対策④

三谷文夫

三谷文夫

テーマ:労務管理

前回は、未払残業代の支払で会社が倒産するかもしれない、というお話をしました。
では、倒産させないためにはどうすればよいのか。

それは、「予防」です。

トラブルが起こってから個別に対処するよりも、トラブルを起こさないのが一番です。
そこで下記に、トラブルを起こさない、そしてトラブルが起こったとしても
ダメージが少なくて済むような予防策を箇条書きにしてみました。

①就業規則の整備と労働者への周知
②36協定を結ぶ・特別条項付協定の活用
③労働時間管理を厳格にする(残業の許可制、管理監督者の実態見直し等)
④変形労働時間制の活用
⑤固定残業制・定額残業制の見直し

各予防策の詳細についてはここでは割愛しますが
私は、③の「労働時間管理を厳格にする」が最も重要だと思っています。

労働時間の管理については、平成13年に労働基準局長通達が出されていて、

「労働者の労働日ごとの始業・ 終業時刻を確認しこれを記録すること」
その確認方法として
「ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること」
「イ タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること」

等が示されています。

このような通達を背景にして、裁判所でも、タイムカードによる労働時間の記録がある場合には、
使用者による適切な反証がない限り、その記録に従って時間外労働の時間を算定したりしています。
(例えば、丸栄西野事件)

つまり、労働時間の管理は、最終的に使用者が確認してきっちり記録しておくことが必要です。

そうしなければ、タイムカードの打刻時間やパソコンのログイン時間等が
そのまま労働時間とされてしまう可能性があります。

そうならないためにも、労働時間の管理は、使用者主導で厳格に行わなければならないのです。

(おわり)

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三谷文夫
専門家

三谷文夫(社会保険労務士)

三谷社会保険労務士事務所

労務についての法的観点からのアドバイス、それに加えて人材育成、組織力向上についての研修を行うことができることが私の強みです。「明日から実践できる研修」をモットーに、現場ニーズに合わせた研修が特徴です。

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