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「思春期・反抗期の子どもとのつきあい方」福井県小浜市立小浜中学校での講演会

2019年7月2日 公開 / 2021年2月9日更新

テーマ:教育・人権講演会

コラムカテゴリ:出産・子育て・教育

コラムキーワード: 不登校支援

 6月29日(土)は福井県小浜市立小浜中学校で講演会がありました。

 テーマは「思春期・反抗期の子どもとのつきあい方」

 聞いてくださるのはPTAの保護者の皆さんや先生方約39名です。



 

 最初にこんなお話をしました。

 これはもう今から25年ほど前の話なんですが
 
 6月ごろに中3男子の家庭教師を始めて1ヶ月ほど経った頃、

 その子のお母さんが相談に来られました。

 「先生、実はうちの子家庭内暴力なんです。」

 1時間ほど話をお聞きしたらその方は、
 「先生に話を聞いてもらったら、すごくスッキリしました。」と
 その日はそれで帰られました。

 それから1ヶ月ほどしてまたご相談に来られました。

 ずーっと家庭内暴力の話を1時間ほどされて
 そしてこう言われました。

 「先生、私、レストランに行っても好きなもの食べられないんです!」

 「どこかお身体が悪いとか?」

 「いいえ、そうじゃないんです!私の食べるものは主人が決めるんです。」

 「え?どういうことですか?」と詳しくお聞きしたら、
 ここのお家はものすごい男尊女卑で、奥さんが外食で食べられるものもご主人が決められると。
 女は男に従っていたらいいんだ。そんなご主人であると。
 
 それを言われてからはずーっと夫婦の話です。
 そしてその日はそれで帰って行かれました。





 そしてまたその1ヶ月後、相談に来られました。

 はじめから夫婦の話です。
 こうしてずーっと夫婦の話を聞かされてますと、
 これは子どもの問題ではなくて夫婦の問題であって、
 その夫婦不調和が子どもの問題、家庭内暴力として現れているんじゃないかと、
 そんなふうに見えてきました。

 いつの間にかこの子は悪くない。
 むしろ悪いのはこのご主人であり夫婦関係であって
 この子はその被害者のように見えてきました。

 40分ほどお話をされた後、こう言われました。 

 「先生、これ私に始まったことじゃないんです。
 お姑さんもお舅さんには随分苦労されたんです。」

 聞けばこの家は代々、男尊女卑の古い価値観でやってきてはるんやね。
 こういうその家独特の歪んだ価値観のことを「家系の歪み」て言うんです。





 この歪んだ考え方はいつか変わらなあかんわね。
 誰かがこれを変えなあかんわね。
 その役をこの子がやっているんじゃないか。
 この子が自ら悪役になって、家庭内暴力をして、
 この家を変えようとしているんじゃないか。
 そんな風に見えてきたんですね。

 そして、次からはお父さんも一緒にご夫婦で相談に来られるようになりました。

 そして、
 
 この子は悪くない。
 自ら悪役を買って出てくれて、この家を変えようとしてくれている。
 本当は自らを犠牲にして教えてくれているこの子に感謝しないといけません。
 そしてお父さんが考え方を改められて、夫婦が仲良くなればこの子の家庭内暴力はなくなります。

 そうお話ししたんです。

 そうしたらお父さんもお母さんも僕のその解釈を受け入れ反省されて、
 その子を直そうとするのではなく、
 自分たちが変わらなければならないと努力されました。

 うちにも何度となく報告と相談に来られました。
 そうしたら本当にその子の家庭内暴力がやんだんです。

 子どもを変えようとするのではなく、子どもへの見方を変える。

 子どもを変えようとするのではなく親である自分のあり方を変えていく。

 そうすることで子どもはその子本来の素晴らしさを表すようになります。 
  



 
 その後、下の資料をもとに思春期の子どもの特徴とその接し方についてお話ししました。




 
 思春期の問題、不登校や非行、いじめの問題の根底には「自己肯定感の低さ」の問題があります。

 では、自己肯定感を高めるには子どもたちにどう関わっていけばいいのか、下の資料をもとに実際にあった事例をもとに具体的にお話ししました。








 講演の後半にはスキマスイッチの大橋卓弥さんの曲「ありがとう」を聞いていただきました。

 

 母が僕に教えてくれたことが2つあります。

 一つは「立派になんかならなくていい」

 ということです。
 元気やったらそれでいい。
 そしてもう一つがその理由にもなっているのですが、
 それは

 「人生は遊びに来たんやもん」

 人生は遊びに来たんだから立派になったりせずに「楽しまなくっちゃ」ていうんです。

 人生が遊びに来たんなら子育ても楽しんだらいいんですね。
 
 「いい母親になんかならなくていい」
 「強い父親になんかならなくていい」
 「泣いたっていい、間違ったっていい、
  迷ってもいい、ぶつかってもいい」

 なぜなら子育てはただ何かをうまくやり遂げることではなくて
 子育ては一つの旅であり、
 道草したり、回り道したり、転んだりしながら、
 旅を楽しむことが大切だからです。

 という言葉で講演を締めました。

 講演の終わりにミスチルの曲「ギフト」に乗せてお一人お一人にそれぞれ違った詩をプレゼントしました。





 講演後の質疑応答でも、いい質問がいっぱい出ました。
 僕なりに一生懸命答えさせていただきました。
 



  
 皆さん、熱心に聞いてくださいました。
 暖かい拍手も本当にありがとうございました。


 主催者様のご厚意で拙著「あなたも子どももそのままでいい」(500円税込)のサイン販売もさせていただきました。
 







        < リンク >

 
 講演会の講演依頼.com|長谷川満 プロフィールページ
 https://www.kouenirai.com/profile/3820

 システムブレーン|長谷川満 プロフィールページ
 https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-7816.htm

 教育講演・人権講演のテーマや内容については
 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/

 子どもさんの学習の悩み・家庭教師のご相談は
 http://www.hariat.co.jp/ksg/

 長谷川満の見方が変わる相談室
 http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/448895890.html

この記事を書いたプロ

長谷川満

子どもの自信とやる気を引き出す教育のプロ

長谷川満(家庭教師システム学院)

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