墓地の種類「公営」「寺院」「民営」「共同」の違い
みなさんご存じのように、多くのお墓はかたくて丈夫な石で作られています。そのため、その寿命や耐久性について、あまり意識していない方もいらっしゃるかもしれません。今回は、お墓における基礎工事を含めた耐久性などについてお話しします。
石によっては耐久性の違いも出る
一見して、しっかりした造りの墓石であっても、使用している石によって比重や硬さ、吸水率等の数値が異なり、寿命(経年劣化)に大きな差が生じます。
通常、国産墓石であれば150年~200年は軽く持つと言われており、雨風に強く耐久性に優れています。
また、日本中のあちこちには500年以上も前に建てられた五輪塔などの石造物がいくつも現存しています。しかし、中国をはじめとする外国産の石は、日本国内で墓石として使用されはじめてから20数年しか経っていないため、日本の気候風土の中で何年持つかは今後長い年月を経て明らかになるでしょうが、建墓後わずか数年で欠けや割れが生じたり変色したりする粗悪な石もありますので注意が必要です。
また、現在では「国産」と銘打った墓石でも、日本の石を中国に送り、製品加工されたものが数多く出回っていますので、国産墓石であっても「国内加工」と「中国加工」があることを知っておく必要があります。
日本の石を中国で加工した「国産墓石」は低価格で販売することが目的のため、日本の一流職人が手掛けるものと比較すると、特に研磨の工程・精度が大きく異なるため、年数が経つと艶持ちの差が生じます。(参照:http://www.daiichisekizai.com/story/cat_cat5/)
ちなみに、当社では完全国産主義を貫き、厳選された国産原石をすべて国内で加工しております。手掛けるのは、およそ400年の歴史を誇る香川県の庵治・牟礼の石職人です。熟練の職人が製作した墓石に「国内加工・製造証明書」を付けております。
ここで一つ申しておきたいのは、日本の石を中国で製品加工することを決して否定するわけではありません。価格的な魅力で中国加工の国産墓石を選ばれる方もいるでしょう。ただ問題なのは、中国で加工された事実を消費者に告げず、単に「国産墓石」として販売している石材店が数多く存在する事です。もちろん、素材の石が国産である以上、加工地がどこであれ「国産墓石」として販売することは現行法律では何の問題もありませんが、「国産」と聞かされると“当然日本でつくったもの”と思い込んでしまう消費者もたくさんいるでしょう。確かに法的には問題ないかも知れませんが、モラルとしては消費者にきちんと伝えることが売る側の責任ではないかと思います。
また、外国材墓石の製品加工の場合は、世界最大の石材加工地、中国・福建省に数百ある石材加工工場の中でも最高レベルを誇る工場を厳選し、私自ら中国に出向き原石の選別から加工まで厳しい品質管理体制を整えて製作にあたっています。
見えない部分にこそ、しっかりとした工事を施す
お墓本体はもちろん、基礎工事の質でお墓全体の耐久性は大きく左右されると思っています。
当社では、おそらく「ここまで必要?」と思われるほど、見えない部分(基礎工事)などにも完全施工を実施しています。
墓所(墓地)の測量をして地盤固めを行います。その後、割り栗石・砕石を順に敷いて、さらに突き固めます。墓地の区画内に鉄筋を配して基礎部分を整えます。そこにコンクリートを流し、空気を抜いて密度を高めます。また、鉄筋コンクリートの基礎工事が完了したら、今度はセメント・モルタルの使用により発生する白華現象を防止するため、御影石による基礎工事を行います。鉄筋コンクリートと御影石の二重構造の基礎工事は当社独自の工法で、耐久性の高いお墓づくりを徹底しているのです。(参照:http://www.daiichisekizai.com/hiyodori/2016/04/entry_3433/)
接合部分にも耐震補強のこだわり
基本的にお墓は、棹石(竿石)はじめ「石の組み合わせ」によって建てられています。そのため各石の接合部分は、地震や雨風に強いものに仕上げなければいけません。
その点、当社では外柵工事や墓石台石の設置の際に、ステンレス製L字金具で補強。内部に水が入らないようコーキング仕上げ(施工される隙間を気密性や防水性のために目地材などでふさぐ事)を行います。
また、墓石の据え付けには阪神・淡路大震災クラスの震度7に対応した墓石用免震システム「安震はかもり®」を施します。この墓石用免震システムでは、専用の弾性接着剤を使用。これにより振動吸収効果は大幅にアップすることができます。
地盤を整え、耐震性・耐久性に優れたお墓を建てることで、万が一の際に墓石を傷つける心配を軽減することができます。