お墓の開眼法要(5)開眼法要時の僧侶への謝礼

能島孝志

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テーマ:お墓の開眼法要

(1)「開眼法要(かいげんほうよう)」とは?
(2)開眼法要を行う時期
(3)開眼法要のお供物
(4)開眼法要の手順


〜上記のコラムからの続きです〜

お墓を建てた時に行うお墓開きの儀式である「開眼法要」。

その際、仏教ではお寺の僧侶をお招きして法要を行うのですが、
僧侶への謝礼はいったいいくら位お渡しすればよいのか、
お金を入れる封筒は、紅白の金封なの?白黒の不祝儀袋なの?

そして、表書きは何て書いたらいいのか?
…などなど、分からない事ばかりでしょう。

先ずは、謝礼を入れる金封についてですが、
これには「開眼法要」をお祝い事の儀式と捉えるのか、
納骨法要を伴うので、お悔み事と捉えるのかによって違ってきます。


これらは諸説があり、僧侶の考え方や地域性により異なります。

詳しくはコチラまで
お墓の開眼法要(3)開眼法要のお供物

ここでは、亡き仏様の新しいお住まいの完成祝い、
新しくお墓を建てた記念日といしてお祝い事と解釈させて頂きます。


御布施


お祝い事なので、紅白の水引の熨斗(のし)が無い金封を使用します。


「御布施」「御礼」

表書きも諸説があり、“御布施”“御礼”“開眼法要御礼”
“御入魂御礼”“建碑法要御礼”などと様々ですが、
「御布施」か「御礼」が宗旨・宗派に影響がないでしょう。

御布施の相場は、お寺との関係の度合いによっても違いますが、
関西方面では、3万円~5万円といったところでしょうか。


表には家名(名前)、裏面には金額を書くようにしましょう。


御車料


また、墓所が寺院境内墓地ではなく、他の墓地や霊園の場合には、
僧侶をお迎えにあがるか、ご自身で直接来られるかのいずれかです。

僧侶がご自身の車等で直接墓所に来られる場合には、
このお布施の他にも、お車代が必要になってきます。

お車代の相場としては、お寺から墓所までの距離にもよりますが、
5,000円~1万円程度あたりが適当な金額かと思います。


「御車料」

お車代も御布施と同様、紅白の水引、熨斗なしの金封に、
「御車料」と表書きをし、表に名前、裏面に金額を記します。


御膳料


開眼法要が終わると、通常、親族そろって会食を行います。


昔は、この会食に僧侶も出席されるのが当たり前でしたが、
最近では、都市部を中心に僧侶をお招きしない場合が増えています。
(地域によっては、現在でも僧侶が出席されるところもあります)

会食に僧侶をお招きしない場合や、お誘いはしたが、
僧侶のご都合でお断りになられた場合などには御膳料が必要となります。


御膳料の相場は、5,000円~1万円程度あたりが一般的でしょう。


「御膳料」

御膳料も御布施と同様、紅白の水引、熨斗なしの金封に、
「御膳料」と表書きをし、表に名前、裏面に金額を記します。


御祝儀


家を建てる時の上棟式(棟上げ・建前)の際に、
建築に携わった大工さんに渡すご祝儀や、
結婚式の際に着付け係さんや美容師さんに渡すご祝儀など、
お祝い事(慶事)に関わった方々にご祝儀を渡すのは、
地域性もあるかと思いますが、関西方面では一般的な慣習です。

この開眼法要についても、関西地方では一般的に慶事と捉えますので、
お墓の建立に携わった関係者にご祝儀を渡されるようです。

ただ、お墓の購入代金は墓石代から工事費まで払っているのに、
なぜ、さらに祝儀を渡す必要があるのかという意見も耳にします。

ご祝儀は感謝の気持ちをお金という形で表してお渡しするものですから、
「しないといけない」ものでもなく「しなくていい」ものでもありません。

ご祝儀を渡されるかどうかの問題に関しましては、
あくまでお施主様のお気持ちでして頂くもので強制ではないのです。

したがって、ご祝儀の相場というものはありませんが、
最近では、墓碑建立関係者一人一人に渡されるのではなく、
一包みでご用意され「皆さんで分けてください」というケースが多いです。


「御祝儀」

その場合の金封も、御布施と同様、紅白の水引、熨斗なしの金封に、
「御祝儀」と表書きをし、表に名前、裏面に金額を記します。


僧侶にお渡し頂く「御布施」「御車料」「御膳料」については、
慶事(お祝い事)なので、新札のお金にてご用意し、
開眼法要が始まる前に、ご挨拶と共にお渡し頂くのが良いでしょう。

また、この開眼法要と同じ日に、一周忌法要や三回忌法要などの、
回忌法要を行う場合には、開眼法要の御布施とは別に、
不祝儀袋(白黒や黄白の金封)にて御布施をご用意するのが一般的です。


御車料や御膳料についても同様に、無地封筒にてご用意ください。


親族が集まりやすい等、便宜上、開眼法要と回忌法要を同日に行っただけで、
開眼法要は慶事、回忌法要は弔事(追善供養)と全く別の儀式なのです。


      ~つづく~


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