お墓は要る!要らない?(9)『先祖の話』解説講演会⑥天皇家の氏神様がどこの家にもあるのはなぜ?

能島孝志

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テーマ:先祖供養

(1)近年における葬送の変化
(2)「生と死の尊厳」の回復
(3)『先祖の話』解説講演会開催
(4)『先祖の話』解説講演会①人は死んでも生きている?
(5)『先祖の話』解説講演会②お墓ってなんだろう?
(6)『先祖の話』解説講演会③肉体と魂の行き場所
(7)『先祖の話』解説講演会④ご先祖様を招く方法?
(8)『先祖の話』解説講演会⑤霊は融合合体できる?

〜上記のコラムからの続きです〜


以下は、2014年9月23日(火・祝)に神戸国際会館で行われました、
小畠宏允氏による、『先祖の話』解説講演会の内容を解説したものです。


天皇家の氏神様がどこの家にもあるのはなぜ?


皆さまの家の神棚には、地域の神社でもらったお札があります。


つまり「氏神様の分霊」を祀っていることになります。


すなわち、「自分のご先祖」を祀っているはずなのですが、
どこの家の神棚にも「天照大神(あまてらすおおみかみ)」を祀る、
「天照皇大神宮」と書かれたお札が飾られているのはなぜなのか?

天照大神を祀る伊勢神宮のお札

天照大神は天皇家の氏神様で伊勢神宮に祀られている神様です。


それを、なぜ一般のお家に飾られているのでしょうか?


それは、江戸時代になると、日本中でお伊勢参りが流行り、
江戸末期くらいには、「御師(おし)」と呼ばれる人が、
年末に各家庭に伊勢神宮のお神札を配ったことに起因します。

当時の人々は「一生に一度はお伊勢参り」というくらいに、
伊勢神宮へ詣でることを憧れ、年間500万人もの人々が、
お伊勢参りをしたという記録さえ残っています。


その人たちを伊勢神宮へガイドする職業が「御師」なのです。


少し現実的な話ですが、その昔伊勢神宮が財政難に陥ったとき、
それを打開するために、伊勢神宮のお札を配ることにしたのです。

そして、「天照皇大神宮」と書かれた天皇家の分霊であるお札を、
御師が年末のあわただしい中、各家庭に配布していたのです。

旧暦では、12月を「師走(しわす)」と呼び、
現在でも新暦の12月の別名としても用いられています。


「師走」の語源は「御師が走る」季節という説もあるようです。


これを機に、全国の神社でも伊勢神宮と同じように、
それぞれの神社のお札、すなわち「氏神様の分霊」を配るようになったのです。


ご先祖様は子孫の悩みは何でも聞いてくれる?


各家庭の神棚には、「天照皇大神宮」と書かれてあるお札以外に、
必ず自分の神社(氏神様が祀られてある神社)のお札があるはずです。

お札の並べ方

ということは、家の中にはご先祖様が帰ってくるお札があるのです。


そこに、お水や、お酒、榊、お米、塩など色々なものをお供えし、
辛いことや悩みごとがあれば、神頼みをすれば聞いてくれるのです。


必ず聞いてくれるのです!


なぜ、必ず聞いてくれるのかというと、自分の子孫の頼みごとだからです。


皆さまが将来ご先祖様になった時にはどうしますか?


自分の子孫が苦しんでいて「助けて欲しい!」とお願いされたとしたら、
自分自身に力があれば、助けてあげようと必ず思うはずです。


ご先祖様は、「この子は助ける」「この子は助けない」なんてしません。


みんな助けてくれます。


ご先祖様、すなわち氏神様は「神様」なのです。
神様は分けへだてなんてことはしないのです!


ただし、条件が一つだけあります。

神棚の祀り方

それは、常々きちんとお祀りをすることが条件なのです。


そう考えると、お墓も、仏壇も、神棚も、
すごい力を持っているということになります。


         ~つづく~


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専門家

能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

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