お墓は要る!要らない?(14)『先祖の話』解説講演会⑪ご先祖様の特性=役割・働き
(1)近年における葬送の変化
(2)「生と死の尊厳」の回復
(3)『先祖の話』解説講演会開催
(4)『先祖の話』解説講演会①人は死んでも生きている?
〜上記のコラムからの続きです〜
以下は、2014年9月23日(火・祝)に神戸国際会館で行われました、
小畠宏允氏による、『先祖の話』解説講演会の内容を解説したものです。
お墓ってなんだろう?
さて、お墓ってなんなのでしょうか?
遺骨を納めるところだけではありません。
では、遺骨とはなんでしょう?
遺骨とは「ご先祖様」なのです。
それでは、ご先祖様はお墓の中でどんな働きをするのでしょうか?
これがわかると、これまで日本人が何故お墓を大事にしてきたかがわかります。
日本人ほど、遺骨を大切にする民族はいません。
おそらく世界中でもトップレベルではないかと思います。
しかし、亡くなった霊魂を祀る民族は日本以外にもたくさんあります。
霊魂を祀ることを「先祖崇拝」、あるいは「先祖祭祀」と言い、
そしてまた、仏教的観点からは「先祖供養」と言います。
「先祖」とは、その家で亡くなった人のことを言い、
これらを、文献として最もきちんと残しているのが中国です。
中国の儒教のうち「先祖祭祀」の思想が日本に入ってきたのは513年で、
朝鮮半島の百済から「五経博士」が来朝してからであります。
五経とは、儒教の基本テキストで、約2500万年前に、
孔子が編纂したものであるとされています。
五経には、「易経」(宇宙の変化)、「書経」(諸国の政治事情)、
「詩経」(万葉集のようなもの)、「春秋」(歴史書)、
そして、先祖祭祀の神事とルールが書かれた「礼記(らいき)」があります。
中国の宗教の基本は、儒教の「孝」思想で、
その極みは、亡き先祖に対する「孝」を儀礼としました。
それは、「先祖を祭祀すれば、その家に幸福がもたらされる」という、
儒教の「孝」思想が基盤にあり、ここでいう「孝」とは、
生きている両親に対する「親孝行」よりも、
最高の孝とは先祖に対する孝行、つまり「先祖祭祀」を意味します。
日本の固有信仰は、文章化されることはほとんどないが、
実は、日本にはこれ以前から先祖祭祀をしていたのです。
今から約5500年前~4000年前の縄文時代の集落跡である、
青森の三内丸山(さんないまるやま)遺跡は、
村人が共同でご先祖様をお祀りしたお墓であるとも言われています。
つまり、日本人は中国から文字として日本に入ってくる以前の、
縄文時代からお墓をつくり先祖祭祀をしていたということになるのです。
山内丸山遺跡について、詳しくはコチラまで
~つづく~
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