コラム
お墓は要る!要らない?(4)『先祖の話』解説講演会①人は死んでも生きている?
2015年3月1日 公開 / 2017年1月29日更新
(1)近年における葬送の変化
(2)「生と死の尊厳」の回復
(3)『先祖の話』解説講演会開催
〜上記のコラムからの続きです〜
以下は、2014年9月23日(火・祝)に神戸国際会館で行われました、
小畠宏允氏による、『先祖の話』解説講演会の内容を解説したものです。
ご来場者へのアンケート調査
先ず、講演にさしあたり、来場者の方々に以下の質問がありました。
1.ご先祖様は「お位牌」と「お墓」のどちらにいらっしゃると思うか?
2.あなたの家に「お仏壇」はありますか、「神棚」はありますか?
3.毎年お正月に「初詣」に行きますか?
4.人が亡くなった後に「霊魂」はあると思いますか?
5.お墓は「たたる」と思いますか?
6.お仏壇や神棚でお勤めをしますか?
7.お墓参りをしますか?
8.「よいお墓」や「悪いお墓」は本当にあると思いますか?
これらは、『先祖の話』解説講演会の内容を左右するものではなく、
単に、来場者の方々のお墓や先祖供養に関する意識調査の意味での質問です。
人は死んだ後、死んでいるのか?生きているのか?
さて、いよいよ“日本民族学の父”と呼ばれている、
柳田國男氏著『先祖の話』解説講演会が始まりました。
人が亡くなった後に、「霊魂」はあるのでしょうか?
つまり、人は死んだ後は死んでいるのか?
また、死んだ後も生きているのか?
実は、この本、柳田國男氏著の『先祖の話』は、
“人は死んでも生きている”という事が書かれてある本なのです。
これは正確に言うと「先祖の“霊”の話」、
いわゆる、“祖霊”のことを説いた本なのです。
この“祖霊”のことを、私たちは古くから、別の言葉で、
「氏神様」「田の神様」「福の神」などと呼んでいるが、
実は、これらはすべで先祖の霊なのです。
要するに、死んで、死んでしまっていたら氏神様にはなれない。
氏神様とは、鈴木さんなら「鈴木氏」、山田さんなら「山田氏」、
読んで字のごとく“氏”の神様(姓の神様)の事です。
「この氏神様をお祀りし、お願い事をすれば、どんな願いごと
(日々の悩み、苦しみ)でも聞いてくれる」と柳田國男氏は説いています。
どうも、柳田國男氏の神観念では、日本人の最初の神は、
「天照大神」「大国主命」でもなく氏神様であるようです。
つまり、自分たちの神様はご先祖様ということです。
この観点から「お墓とは何か?」を考えてみると、
お墓はすごい力を持ったものであるという事が分かるのです。
~つづく~
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