立場が変わっても、やはりお墓は必要ありませんか?
■お墓と宗旨・宗派①宗派について
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/29847/
■お墓と宗旨・宗派②法相宗/興福寺・薬師寺(奈良県)
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/29862/
■お墓と宗旨・宗派③華厳宗/東大寺(奈良県)
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/29913/
■お墓と宗旨・宗派④律宗/唐招提寺(奈良県)
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/column/29967/
上記のコラムからのつづきです。
六世紀に中国の天台大師智顗(ちぎ・538~597)が大成した宗派で、
『法華経』を最高の教えと位置付け、その教えによって悟りを得ようとするものです。
中国の聖山、天台山を拠点としたことから、天台宗と言われます。
日本には平安時代に伝教大師最澄が伝えました。
最澄は『法華経』の教えを中心として、戒律、禅、密教、浄土教などを
融合した仏教を目指し、これを体系化いたしました。
ここに、日本独自の天台宗が誕生したのであります。
最澄の没後は慈覚大師円仁(第三代天台座主)や、
智証大師円珍(第五代天台座主)などの活躍により隆盛を迎えました。
円仁、円珍の二人はともに唐(中国)に10年ほど留学して、
特に密教を十分に学んできました。
その結果、天台密教が栄え、真言密教を凌ぐ勢いになったのであります。
しかし、円仁と円珍は教理面で解釈を異にし、
密教の作法などについても異なる点が多々あったのです。
そこで、二人の弟子筋の間には確執を生じ、
しだいに激しく争うようになりました。
そして、正暦4年(993)、ついに円珍の派閥の門徒たちは比叡山を下り、
滋賀県の園城寺(三井寺)を拠点といたしました。
以来、「山門派(さんもんは)」と「寺門派(じもんは)」という、
二流派に分かれることになりました。
▲比叡山延暦寺の根本中堂
また、冒頭にて説明しましたように、
天台宗の教えは仏教のあらゆる教えを融合しようとするものであります。
したがって、最澄の時代から特定の宗派に関わらず、
多岐にわたる教典が比叡山に集められました。
比叡山に行けば『法華経』はもとより、
その他の多くの教典を閲覧することができ、
また、それぞれの分野においても良き指導者がいました。
そこで平安時代の中ごろからは多くの優秀な学徒が集まり、
比叡山はさながら仏教の総合大学の様相を呈しました。
浄土宗の法然や曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮など、
鎌倉時代に新たな宗派を開いた祖師たちの多くも
当時は比叡山で学んでいたのでした。
天台宗はまさに日本の仏教の根元としての
役割を果たしたと言っても過言ではありません。
天台宗は比叡山延暦寺を総本山とし、
現在、8,000あまりの寺院が所属しています。
~つづく~
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