【不貞慰謝料・請求する側】相手が無視する・受け取りを拒否する場合
知人の飲み会で知り合った女性と一度身体の関係を持ち、その後交際を見送ったところ、相手方から「不同意性交だった」と主張され、金銭を求められたご相談です。ご依頼者は求めに応じて10万円を送金しましたが、相手方はさらに50万円を要求し、弁護士が窓口となった後も合意書の締結を拒んで対面での謝罪を求め、自宅と勤務先に手紙を送ってきました。
本記事では、合意書を結べないまま相手方との接触がどのように止まったのか、受任から終結までの経緯をご紹介します。
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご相談者 | 30代男性(関東地方在住) |
| ご相談の内容 | 一度関係を持った女性から、交際を断った後に「不同意性交」を理由として金銭を求められた |
| 相手方の要求 | 10万円を受け取った後、さらに50万円を要求。弁護士の受任後は対面での謝罪を求め、自宅と勤務先に手紙を送付 |
| ご依頼者の希望 | これ以上の支払いには応じず、穏便に関係を終わらせたい |
| 解決結果 | 受任後の追加の支払いなし。弁護士の警告後に接触が止まり、最後の連絡から3か月の経過を確認して終結 |
ご相談までの経緯
交際を見送った後、「会うかお金か」と迫られる
ご依頼者は、知人の飲み会で知り合った女性と互いに好意を持ち、身体の関係を持ちました。しかしその後のやり取りの中で相性が合わないと感じ、交際には至らないことを相手方に伝えました。
すると相手方は、身体の関係は不同意性交であったと主張し、「会うかお金か」と迫ってきました。当初は会って話をする流れになりましたが、相手方は「ごめんだけでは許せない」として金銭を求めるようになりました。
10万円を送金した後、さらに50万円を要求される
相手方から「気持ちでいい」と言われたため、ご依頼者は10万円を送金しました。ところが今度は「安すぎる」として、50万円を要求されました。
短期間のうちに要求の内容が変わり、話し合いが成り立たないと感じたご依頼者は、十分に考えないまま支払いに応じてしまったことを振り返りつつ、これ以上の要求には応じず、穏便に関係を終わらせたいと考え、当事務所にご相談くださいました。
弁護士の対応と交渉の経緯
受任通知を送付し、連絡の窓口を弁護士に一本化
弁護士はご相談の翌日に受任し、まず相手方とのメッセージの履歴を確認しました。そのうえで受任通知を作成し、ご依頼者のアカウントから相手方へ送付していただきました。相手方の既読を確認した後は、アカウントをブロックするようご案内しています。
受任通知の翌日、相手方から当事務所に連絡がありました。弁護士は、代理人が付いた以上、ご依頼者が直接会って謝罪することはできない旨を伝えました。
謝罪を内容とする合意書を提案するも、相手方は締結を拒否
相手方は、交際に至らないまま身体の関係を持ったことについて謝罪があれば、合意書を作成してもよいと述べました。そこで弁護士はご依頼者と協議し、次の内容を盛り込んだ合意書案を作成して提案しました。
- 交際に至らないまま身体の関係を持ったことについての謝罪。
- 既に支払った10万円を解決金として扱うこと。
- 今後、相互に連絡・接触しないこと。
しかし相手方は「文書で謝罪されても意味がない」として合意書の締結を拒み、連絡・接触はしないと口頭で述べるにとどまりました。
対面での謝罪の求めと、自宅・勤務先への手紙
約3週間後、相手方から改めて対面での謝罪を求める連絡がありました。弁護士は、相手方の主張がこれまでに変遷していることから、対面で謝罪をしてもかえって紛争が広がるおそれが高いことをご依頼者に説明しました。ご依頼者はこれを踏まえ、ご自身の判断で対面には応じないことを決めました。
ところがその後、相手方からご依頼者の自宅と勤務先に手紙が届きました。
電話で方針を伝え、接触の停止へ
弁護士は相手方への架電を重ね、連絡が取れた際に次の点を伝えました。
- ご依頼者に謝罪の意思はあるものの、相手方の要求が変わり続けたため弁護士が介入せざるを得なかったこと。
- 対面での謝罪には応じないこと。
- 今後も手紙等による接触が続く場合は、警察対応に切り替えざるを得ないこと。
相手方は合意書の締結は拒んだものの、今後は連絡・接触しないと述べました。以後、相手方からの接触はなく、最後の連絡から3か月が経過した時点で事件を終結としました。
解決結果と対応のポイント
解決内容
本件の解決内容は次のとおりです。
- 50万円の要求に対し、受任後の追加の支払いなしで終結。
- 受任通知の送付後、相手方からの連絡はすべて当事務所が対応。
- 対面での謝罪の求めには応じず、ご依頼者が相手方と直接会うことなく終結。
- 弁護士からの警告後、自宅・勤務先への手紙を含む接触が停止。
- 最後の接触から3か月以上、相手方からの連絡がないことを確認。
合意書が結べなくても、窓口を弁護士に固定することに意味がある
まず前提として、交際の意思を確かめないまま身体の関係を持つことは、相手を傷つけるおそれがあり、本件のようなトラブルのきっかけにもなり得る行為です。軽く考えてよいものではありません。
本件の特徴は、相手方が合意書の締結を拒みながら対面での謝罪を繰り返し求め、最終的には自宅と勤務先に手紙を送ってきた点にあります。このような場合でも、受任通知によって「窓口は弁護士である」という状態を作り、相手方からの連絡を弁護士が受けることで、ご本人が直接やり取りをする負担を減らすことができます。そのうえで、受任通知の後も直接の接触が続くときは、警察対応も視野に入れていることを明確に伝えることが、接触が止まるきっかけになる場合があります。
また本件では、「気持ちでいい」と言われて支払った後に、より高い金額を求められています。要求の根拠や支払いの位置付けがはっきりしないまま支払いに応じると、それが次の要求につながることもあるため、支払う前に一度立ち止まって検討することが大切です。
代理人が付いた後の対面での謝罪には慎重な判断を
相手方が「謝罪が目的」と述べていても、実際には直接会うこと自体が目的となっている場合もあります。対面すると話が多岐にわたり、かえって紛争が広がるおそれもあるため、代理人が付いた後は、対面での謝罪には応じないことを基本として検討するのが一つの考え方です。もっとも、どのように対応するかは個別の事情によって異なりますので、弁護士と相談のうえで判断することをおすすめします。
同種のご相談をお考えの方へ
一度の関係を理由に金銭を求められている方、相手方の要求が変わり続けて話し合いが進まない方、自宅や勤務先への手紙・連絡に不安を感じている方は、これ以上の支払いをする前に、まずは一度ご相談ください。
弁護士法人若井綜合法律事務所では、男女間のトラブルに関するご相談を池袋と新橋の事務所でお受けしています。金銭の請求を受けてお困りの方も、相手方との関係を穏便に終わらせたいとお考えの方も、どうぞお気軽にお問い合わせください。


