【男女トラブル】元恋人のスマホに残っている自分の動画を、消してもらうには?
交際相手のいる女性と関係を持ったご相談者が、その交際相手の男性から精神的苦痛を受けたと主張され、婚約破棄を理由とする慰謝料請求に発展するのではないかと不安を抱えてご相談に来られた事例です。弁護士が受任通知で窓口を移し、その後に女性側から届いた「三者で直接話し合いたい」という求めにも書面で対応した結果、金銭を支払うことなく終結しました。
※本記事は当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。ご相談者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等については一部変更を加えています。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご相談者 | 九州地方在住の男性 |
| ご相談の内容 | 関係を持った女性の交際相手(男性)から、精神的苦痛を受けたとの主張を受けた。具体的な金額の請求はまだない段階 |
| ご相談者の不安 | 相手方の男性が女性に婚約指輪を渡していた(その後返却)ことから、婚約破棄を理由とする慰謝料を請求されるのではないか |
| 相手方との連絡手段 | メッセージアプリとメールのみ(住所は番地まで不明) |
| 解決内容 | 慰謝料請求に発展せず、支払い0円で終結 |
| 解決までの期間 | 受任から通算約9か月 |
ご相談までの経緯
ご相談者は、5〜6年にわたって交際している男性がいる女性と、性的な関係を持ちました。その後、女性の交際相手である男性から、ご相談者に対して精神的な苦痛を受けたとの主張が向けられるようになりました。この時点では、具体的な金額の請求はありませんでした。
ご相談者が特に気にかけていたのは、相手方の男性がその女性に高額な婚約指輪を渡しており、女性が一度それを受け取っていたという事情です。指輪はその後返却されていましたが、相手方が婚約は成立していたと主張すれば、婚約破棄を理由とする慰謝料請求につながる可能性も考えられました。
相手方の男性とはメッセージアプリとメールでしか連絡を取る手段がなく、住所も詳しくは分からない状況でした。ご相談者は、請求が本格化する前に対応を整えておきたいと考え、当事務所にご相談くださいました。
弁護士の対応と交渉の経緯
受任通知で連絡の窓口を弁護士に一本化
ご相談当日に受任した弁護士は、相手方の男性に受任通知を送付しました。通知では、当事務所が代理人として窓口となること、今後の連絡は当事務所宛てに行い、ご相談者本人への直接の連絡は控えてほしいことを伝えています。
あわせて、仮に婚約破棄を理由とする慰謝料請求がなされた場合には、婚約が成立していたかどうかを争う方針をご相談者と共有し、相手方からの連絡を待つことにしました。受任通知の送付後、相手方から当事務所への連絡はありませんでした。
仕事の行事で相手方と同席する可能性への備え
受任から約2か月後、ご相談者が仕事の関係で出席する2日間の行事に、相手方の男性が女性とともに一般参加者として登録していることが分かりました。
弁護士は、可能であれば欠席を検討すること、やむを得ず出席する場合に相手方から不穏な接触があれば110番通報し、そこまでに至らない場合は弁護士に連絡するよう助言しました。ご相談者は必要な範囲に絞って出席し、相手方との接触はありませんでした。その後も相手方からの連絡はなく、受任通知の送付から3か月が経過したことから、いったん終結としました。
終結後に届いた「三者で話したい」というメールへの対応
終結から約2か月後、今度は女性本人から、ご相談者のメールアドレス宛てにメールが届きました。内容は、3人で直接話し合いたい、法的手段に頼らず当事者だけで収めたい、話し合いが難しければ法的手段を取らざるを得ず職場にも迷惑がかかるかもしれない、というものでした。
弁護士は委任契約の範囲内で対応することとし、女性宛ての連絡書を速やかに作成しました。この連絡書はご相談者のメールアドレスから送信してもらい、今後の連絡はすべて当事務所に行うよう伝えたうえで、相手方のアドレスを受信拒否に設定するよう案内しました。
連絡書の送付後、女性からも男性からも当事務所への連絡はなく、3か月以上が経過したことから、本件は終結となりました。ご相談者が相手方に支払った金銭はありません。
解決結果と対応のポイント
本件の解決内容は次のとおりです。
- 慰謝料請求に発展することなく、支払い0円で終結しました。
- 受任通知の送付後、相手方からご相談者本人への連絡はありませんでした。
- 仕事の行事で相手方と同席する場面でも、接触はありませんでした。
- 終結後に届いた女性からの三者での話し合いの求めにも、連絡書で対応しました。
- 受任から通算約9か月、ご相談者が相手方と直接やり取りすることなく終結しました。
婚約が成立していなければ、第三者への慰謝料請求は認められにくい傾向
まず前提として、交際相手のいる人と関係を持つことは、関係する人の気持ちを大きく傷つけかねない行為であり、慎重に考えるべきものです。
そのうえで法的な観点から見ると、夫婦や婚約関係にある人の一方と関係を持った場合と、交際関係にとどまる人の一方と関係を持った場合とでは、第三者に対する慰謝料請求が認められるかどうかが大きく異なります。婚約の成立が認められない限り、交際相手から第三者への慰謝料請求は原則として認められにくいと考えられます。本件では婚約指輪の受け渡しがあったものの、指輪が返却されていたことなどから、婚約の成否を争う余地がありました。
具体的な請求の前に窓口を弁護士へ移したこと
本件で大きかったのは、具体的な請求が届く前の段階で受任通知を送り、窓口を弁護士に移した点です。相手方が請求を考える場合は弁護士に連絡する必要があるため、根拠が十分でない請求が持ち込まれにくい状況をつくることができます。仕事の行事で相手方と顔を合わせる可能性がある場面でも、事前に対応方針を決めておいたことで、落ち着いて対処することができました。
当事者だけの話し合いには応じない
終結後、女性側から「法的手段」や「職場への影響」に触れながら直接の話し合いを求める連絡がありましたが、弁護士が窓口であることをあらためて書面で示したことで、それ以上の接触はありませんでした。当事者だけで話し合うと、その場でのやり取りが新たな争いのきっかけになることもあるため、代理人を通す姿勢を保つことが大切です。
同種のご相談をお考えの方へ
交際相手のいる人と関係を持ち、その交際相手から慰謝料の請求や話し合いを求められている方、婚約が成立していたかどうかをめぐって不安を抱えている方は、相手方に返答する前に一度ご相談ください。
弁護士法人若井綜合法律事務所では、男女間のトラブルに関するご相談を池袋と新橋の事務所でお受けしています。お一人で抱え込まず、状況を整理するところからお手伝いします。


