【解決事例】元交際相手のつきまとい|相手方と連絡がつかない中、警察と連携して接触が止まった事例

若井亮

若井亮

テーマ:男女トラブル

本記事は、当事務所が実際に解決した事例をもとに作成しています。ご依頼者のプライバシー保護のため、氏名・年齢・具体的な状況等の一部に変更を加えています。


交際を解消した後も連絡が続き、やがてご自身のご家族にまで及んでしまう。警察には相談しているものの、相手方は遠方に住んでいて電話にも出ず、今どこで生活しているのかもわからない。このような状況では、何をどこまで進めればよいのか、判断に迷われる方も多いのではないでしょうか。
 本記事では、元交際相手からの連絡が止まらず、相手方とも連絡がつかなかった事案で、当事務所が警察と連携しながら通知の内容を相手方側へ届け、その後の接触が止まるまでの経緯をご紹介します。ご依頼者がご自身の居住地を知られることを懸念されていたため、その点への配慮もあわせてご説明します。

事案の概要


項目内容
ご相談者関東地方在住の会社員男性
相手方元交際相手の女性(遠方に居住し、現在の所在が判然としない)
ご相談のきっかけ交際解消を伝えた後も連絡が続き、ご両親にまで連絡が及んだ。警察に相談していたが、相手方と連絡がつかない状態が続いていた
ご要望相手方からの接触を止めたい
懸念事項相談先の警察署名などから、現在の生活圏を相手方に推測されること
解決金なし(金銭の支払いを伴わない解決)
解決までの期間通知内容の伝達後、6か月以上接触がない状態を確認して終結


交際を解消した後も連絡が続き、ご両親にまで及んだ

 ご依頼者は、関東地方にお住まいの会社員の男性です。交際していた女性(相手方)に対し、関係を解消したいという意思をメッセージで明確に伝えていました。
 しかし、その後も相手方からの連絡は止まりませんでした。連絡はご依頼者本人にとどまらず、ご依頼者のご両親にまで及ぶようになります。ご依頼者にとっては、自分一人の問題として受け止めていればよい状況ではなくなっていました。

警察に相談していたが、相手方と連絡がつかなかった

 ご依頼者はすでに警察に相談しており、生活安全課の担当者が対応にあたっていました。もっとも、相手方はご依頼者の生活圏から遠く離れた地域に住んでおり、電話をかけても応答がありません。現在どこで生活しているのかもはっきりしない状況で、警察からの連絡も相手方に届かないまま、時間が経過していました。
 ご依頼者が特に気にかけていたのは、ご自身の現在の居住地が相手方に知られることでした。警察に相談していること自体は伝わってもかまわない一方で、相談先の警察署名から生活圏を推測されることは避けたいというご意向です。この点をどう扱うかが、本件の対応全体にかかわる前提となりました。
 状況が動かないことへの不安から、ご依頼者は当事務所にご相談のうえ、対応をご依頼くださいました。

弁護士の対応と解決への流れ


受任通知の内容を、ご依頼者の懸念に沿って調整する

 受任にあたり、担当弁護士はまず受任通知書の作成に取りかかりました。本件では、この書面に何を書き、何を書かないかについて、慎重な検討が必要でした。
 ご依頼者からは、記載内容について次のようなご要望をいただきました。

  • 相談先の警察署名を具体的に記載しないこと。
  • 書面が第三者の目に触れた場合に、ご依頼者が不利益を受けかねない記述を避けること。
  • 相手方が読んで理解しやすい、平易な表現にすること。


 担当弁護士は、これらのご要望を一つずつ検討し、代理人からの通知として伝えるべき内容を損なわない範囲で反映させたうえで、書面を完成させました。

送付先をどう確保するか

 送付方法についても検討が必要でした。相手方の住民票上の住所に送付しても、受け取られない可能性が高いと考えられました。他方で、相手方のご実家に送付することは、相手方以外の方のプライバシーにもかかわるため、慎重に扱う必要があります。
 そこで担当弁護士は、相手方本人の住所への送付を原則としつつ、受け取られない場合には電話で内容を伝えたうえで送付先を確認する、という段取りを組みました。

警察の担当者と役割を分担する

 並行して、担当弁護士は、ご依頼者が相談していた警察の担当者と直接連絡を取りました。お伝えしたのは次の3点です。

  • 今後は当事務所が本件の窓口を引き受けること。
  • 警察から相手方に連絡する際には、当事務所の連絡先を伝えていただきたいこと。
  • ご依頼者が懸念している警察署名を用いずに対応していただきたいこと。


 弁護士と警察が互いの動きを把握したうえで役割を分担することで、相手方に対して足並みのそろった対応をとりやすくなります。

相手方のご家族を通じて、通知の内容を伝える

 その後、警察が相手方のご家族と連絡を取ることができました。警察からご家族に対しては、今後の窓口が当事務所であること、ご依頼者側が求められていた確認事項にはすでに対応していること、双方が互いの個人情報を削除すべきことが伝えられました。
 これを受けて、担当弁護士も相手方のご家族に電話をかけ、受任通知書の内容をほぼそのまま読み上げる形でお伝えしました。その際には、当方として事を荒立てる意図はないこと、代理人として通知すべき事項をお伝えする立場にあることを丁寧に説明しています。あわせて、書面の送付先を確認したい旨もお伝えしました。
 その後も何度か連絡を重ねましたが、ご家族側にもご事情があり、相手方本人に内容が伝わったかどうかを確認するまでには至りませんでした。

本人への伝達確認を追わず、経過観察に切り替える

 ここで、今後の方針をどうするかという判断が必要になりました。
 ご依頼者からは、相手方本人に伝わったことを確認したいというご意向が示されました。これに対して担当弁護士は、通知の内容が相手方の生活領域に届いている以上、代理人による介入があったものとして扱える余地があること、そして相手方の言動が落ち着いている段階で接触を重ねると、かえって事態を再燃させるおそれがあることをご説明しました。
 所内でも方針を検討し、相手方本人に直接ショートメッセージを送る案も含めて、複数の選択肢をご提示しました。そのうえで最終的な判断はご依頼者に委ね、ご依頼者はご家族とも相談されたうえで、本人への直接連絡は行わずに経過観察へ移る方針を選ばれました。

SNSでの動きにも過剰に反応せず、様子を見る

 経過観察の期間中、相手方のものと思われるアカウントから、ご依頼者のSNSにフォローの申請が届く場面がありました。ただ、相手方のアカウントであると断定できるものではなかったため、ご依頼者とも協議のうえ、過剰に反応せずに様子を見る対応としました。
 担当弁護士はこの間も定期的に状況を確認し、相手方に動きがあった場合には、警察への被害相談を含めて対応できる体制を保っていました。
 結果として、通知の内容が相手方側に伝えられて以降、相手方からご依頼者本人への接触も、当事務所への連絡もありませんでした。6か月以上にわたって接触のない状態が続いたことを確認し、事件を終結しています。

解決結果と対応のポイント


  • 弁護士が窓口となったことが相手方側に伝わり、以後の接触が止まりました。
  • ご依頼者のご家族への連絡も止まりました。
  • ご依頼者の生活圏を相手方に知られない形で、通知の内容を伝えました。
  • 金銭の支払いを伴わずに解決しました。
  • 6か月以上にわたり接触のない状態を確認したうえで、事件を終結しました。


担当弁護士からのコメント|元交際相手からのつきまといにお悩みの方へ

 交際関係を解消した後も連絡が続き、ご本人だけでなくご家族にまで及ぶというご相談は、少なくありません。恋愛感情などの好意の感情や、それが満たされなかったことへの怨恨の感情を背景とするつきまといや繰り返しの連絡は、ストーカー規制法の対象となる場合があります。警察に相談することで、警告や禁止命令等の措置がとられることもあり、まずは警察に相談することが対応の出発点になります。
 もっとも、警察が措置をとるには一定の要件を満たす必要があり、本件のように相手方と連絡がつかない場合には、警察としてもとれる手段が限られることがあります。弁護士が代理人として関わることには、警察とは異なる役割があります。連絡の窓口を一本化して、ご本人が相手方に直接対応しなくてよい状態をつくること、そして相手方に対し、行為をやめてほしいという意思を代理人からの通知という形で明確に伝えることです。本件のように、弁護士と警察がそれぞれの立場から相手方側に働きかけることで、ご本人がひとりで対応を続ける場合に比べて、相手方に意思が伝わる経路を確保しやすくなることがあります。
 また、相手方の所在がわからない、書面を受け取ってもらえないという場面も、実務では珍しくありません。そのような場合でも、通知の内容が相手方の生活領域に届き、相手方がその内容を知り得る状態になったのであれば、代理人による介入があったものとして整理できる場合があります。伝達の経路をどのように確保するか、ご家族を介する場合にどこまで配慮するかといった点は、事案ごとに判断することになります。
 なお、この種の事案では、相手方への働きかけを重ねることが、いつもよい結果につながるとは限りません。相手方の言動が落ち着いている段階で接触を繰り返すと、かえって感情を刺激し、収まっていた行為が再び始まってしまうおそれがあります。本件でも、本人への直接連絡を行わずに経過観察へ切り替えた判断が、結果として平穏な状態の維持につながったと考えています。何をするかと同じように、何をしないかを見極めることが大切な場面もあります。
 元交際相手からの連絡が止まらない方、ご家族にまで連絡が及んで困っている方、警察に相談したものの状況が動かずお悩みの方は、おひとりで抱え込まずにご相談ください。

同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。

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若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

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