【解決事例】食事に行っただけで「妻と職場にバラす」と脅され約40万円を請求された事案を、支払いゼロで解決
本記事は、当事務所が実際にお受けした事例をもとに作成しています。ご依頼者のプライバシーに配慮し、年齢や具体的な状況などの一部に変更を加えています。
交際していた頃に撮影された性的な動画が、まだ相手の手元に残っているかもしれない。連絡も取れなくなり、流出の不安を抱えたまま時間だけが過ぎていく。本記事では、転居していた相手方の所在を確認したうえで書面を送り、ご依頼から約1か月で、動画の削除と今後の不拡散を約束する誓約書を取得した事例をご紹介します。
事案の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ご相談者 | 関東地方にお住まいの女性 |
| 相手方 | 元交際相手の男性(ご相談時には遠方へ転居済み) |
| ご相談のきっかけ | 交際中に撮影された性的な動画の行方がわからないまま、1年以上にわたって流出の不安が続いていた |
| ご要望 | 動画を削除し、今後拡散しないことを相手方に約束してほしい |
| 懸念事項 | 相手方と連絡が取れず、把握していた住所にも住んでいなかった |
| 解決金 | 金銭の授受なし |
| 解決までの期間 | ご依頼から約1か月 |
ご相談前の状況
はっきりと断れないまま撮影された動画
ご依頼者は、関東地方にお住まいの女性です。交際していた男性(相手方)から、性行為の様子を動画で撮影されたことがありました。ご依頼者は撮影を望んでいませんでしたが、関係が悪くなることを心配して、はっきりと断ることができなかったといいます。
「削除した」と言われても消えなかった不安
その後、相手方からは、動画が入っていた携帯電話を紛失したこと、クラウド上のデータも削除したことを伝えられました。しかしご依頼者としては、新しい端末にバックアップが残っているのではないか、本当にすべて消えたのかという疑問が残りました。
やがて相手方からの連絡は途絶え、交際関係も自然に終わります。動画の行方がわからないまま、関係だけが終わってしまった形です。いつか流出するのではないか、誰かの目に触れるのではないかという不安を抱えたまま、1年以上が経過していました。
警察に相談したことはなく、どこに相談すればよいのかもわからない状態だったそうです。不安の続く毎日に区切りをつけたいと考えたご依頼者は、インターネットで当事務所を見つけてご相談くださり、そのままご依頼をいただきました。
弁護士の対応と解決までの流れ
見通しを率直にお伝えしたうえでお受けする
お受けするにあたり、担当弁護士はまず法的な見通しをお伝えしました。
本件では、動画が実際に流出した事実も、相手方が拡散をほのめかした事実もありません。この段階では、削除や誓約を法的に強制することは難しく、相手方の任意の協力を求める交渉が中心になります。担当弁護士はこの点を率直にご説明したうえで、それでも弁護士が代理人として書面を送ることには意味があるとお伝えし、ご依頼をお受けしました。
転居していた相手方の所在を確認する
着手してすぐに、一つの問題が見つかります。ご依頼者が把握していた住所に、相手方はすでに住んでいませんでした。
担当弁護士は、職務上請求により相手方の住民票の取得を進めました。当初の住所ではすでに転出していたことがわかったため、続けて転出先の自治体に請求を行い、相手方が遠方の地域に転居していることを確認しています。
書面が届かなければ、交渉は始まりません。まず相手方の現住所を確実に押さえ、そのうえで次の段階に進みました。
最初の一通で完結できるように書面を整える
担当弁護士は、受任通知書とあわせて、相手方に差し入れてもらう誓約書の案を作成しました。
本件で意識したのは、相手方が速やかに応じやすい形を整えることです。書面のやり取りを何度も重ねると、その間に相手方が身構えたり、応答しなくなったりするおそれがあります。そこで、最初に届く一通で手続が完結するように組み立てました。
送付方法を二つに分けて記録を残す
送付方法も二つに分けています。受任通知書は内容証明郵便で送り、通知の内容と送付日を客観的に残しました。これとは別に、次のものを同封した書留を送付しています。
- 受任通知書。
- 誓約書の案。
- 記入方法のご案内。
- 返信用の封筒。
いずれの郵便物も「親展」としました。相手方にとっては、届いた誓約書に署名し、同封の封筒で返送すれば済む状態です。
書面の到達から数日で誓約書が返送される
書面が届いてまもなく、相手方から当事務所に電話がありました。受任通知を読んだこと、その日のうちに誓約書を返送したいこと、そして手元に印鑑がないため指印でもよいかという内容でした。担当弁護士は、指印で差し支えない旨をお答えしています。
その後、署名と指印のある誓約書が当事務所に返送されました。動画などのデータを削除すること、今後これを拡散しないことなどを内容とするものです。担当弁護士が内容を確認したうえで、誓約書の原本をご依頼者にお渡ししました。
ご依頼から誓約書の取得までは約1か月でした。相手方の所在の確認に要した期間を含めても、比較的短い期間で区切りをつけることができた事例です。
解決結果と対応のポイント
- 相手方から、性的な動画の削除と今後の不拡散を内容とする誓約書を取得しました。
- 転居先がわからなかった相手方の所在を確認し、書面を確実に届けました。
- 書面の到達から数日で相手方が応じ、ご依頼から約1か月で解決しました。
- ご依頼者が相手方と直接やり取りすることなく、手続を終えることができました。
- 金銭のやり取りは生じていません。
担当弁護士からのコメント
「まだ何も起きていない段階」の難しさ
交際中に撮影された性的な動画や写真が、関係が終わった後も相手の手元に残っているのではないか。こうした不安を抱えたまま過ごしている方は、少なくないように感じます。本件のご依頼者も、1年以上にわたって流出への不安を抱えながら生活されていました。
法的な観点からみると、この種のご相談には難しさがあります。実際に動画が公表されてしまった場合には、いわゆるリベンジポルノ防止法(私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律)の問題となり、名誉毀損罪などが成立する可能性もあります。また、「拡散する」と告げて相手を怖がらせる行為は、脅迫罪にあたり得るものです。しかし本件のように、まだ何も起きていない段階では、削除や誓約を法的に強制することは容易ではありません。相手方の任意の協力を得る交渉が中心になります。
弁護士名義の書面が届くことの意味
それでも、弁護士が代理人として書面を送ることには意味があると考えています。弁護士名義の書面が届いたという事実が、相手方にとって事態を重く受け止めるきっかけになることがあるためです。本件でも、書面の到達から数日のうちに相手方から連絡があり、誓約書はすぐに返送されました。長く続いていたご不安が、一通の書面をきっかけに動き出したことになります。
相手方が応じやすい形を先に整える
交渉の進め方にも工夫が要ります。書面のやり取りを重ねるほど、相手方が身構えたり、応答しなくなったりするおそれがあります。本件では、受任通知書と誓約書の案、記入方法のご案内、返信用の封筒までを一度に送り、署名して返送するだけで済む状態を整えました。相手方が手間をかけずに応じられる形を先に用意しておくことは、こうした事案で役に立つことが多いと感じています。
相手方の居場所がわからない場合
相手方が転居していて、所在がわからないというご相談も珍しくありません。ご本人が相手方の住民票を取得するのは容易ではありませんが、弁護士であれば、受任している事件の処理に必要な範囲で職務上請求を行うことができます。相手方の居場所がわからないというだけで、手立てがなくなるわけではありません。
誓約書にはどのような意味があるのか
取得した誓約書に、どこまでの効力があるのかを心配される方もいらっしゃいます。誓約書があれば拡散が確実に防げる、と保証できるものではありません。一方で、相手方が自ら署名した書面が残っていることは、万一の場合に相手方の責任を問ううえで意味を持ちます。また、書面を差し入れたという事実そのものが、相手方にとって今後の行動を考える際の重みになると考えています。
交際中に撮影された動画や写真が残っていないか不安な方、削除や不拡散の約束を取り付けたい方、相手方と連絡が取れずに困っている方は、一人で抱え込まずにご相談ください。状況をうかがったうえで、取り得る手段と見通しを率直にお伝えします。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


