【解決事例】元同棲相手からの治療費などの請求|弁護士が窓口となり、受任後は支払いなく約2ヶ月で請求が止んだ事例

若井亮

若井亮

テーマ:男女トラブル

本記事は、当事務所が実際にお受けしたご依頼をもとに作成しています。ご依頼者のプライバシーに配慮し、具体的な状況などの一部を変更しています。法律に関する記載は、2026年9月時点の民法にもとづいています。


別れ話のさなかに、相手を落ち着かせたい一心で「治療費は全額負担する」とLINEで送ってしまい、後になってそのメッセージを根拠に支払いを求められる。当事務所には、このような経緯でのご相談が寄せられることがあります。

 本記事では、元交際相手から治療費などの負担を求められた男性のご依頼について、弁護士が請求の法的根拠を整理して書面で反論し、受任後は追加の支払いをすることなく終結した経緯をご紹介します。交際中に渡したお金の返還を求められる場面については、別れた途端「これまでの金を返せ」と言われた|贈与と貸付の違いで扱っています。

ご相談の概要


項目内容
ご相談者会社員の男性(関東地方在住)
相手方数ヶ月間同棲していた元交際相手
ご相談の内容関係解消の際に送ったメッセージを根拠に、治療費の負担や知人への説明の訂正などを求められていた
弁護士の対応受任通知の送付による窓口の一本化、請求の法的根拠の検討、書面による反論
解決結果受任後は追加の支払いをすることなく、相手方からの請求と連絡が止まった
解決までの期間ご依頼から約2ヶ月で請求が止み、その後3ヶ月以上接触がないことを確認して終結


ご相談までの経緯

別れた後に始まった治療費などの請求

 ご依頼者は、関東地方にお住まいの会社員の男性です。数ヶ月間同棲していた交際相手(以下「相手方」)と関係を解消しましたが、その後、相手方から、交際中のご依頼者の言動によって精神的な負担を受けたとして、治療費の負担や、知人に対する説明内容の訂正などを求められるようになりました。

 相手方が請求の根拠として示したのは、関係解消をめぐるやり取りの中で、ご依頼者ご自身が送ったメッセージでした。ご依頼者は、申し訳ないという気持ちから「治療費は全額負担する」「知人には事実を伝える」といった趣旨の内容を送っており、相手方はこれを約束だとして、その実行を求めていました。

一部を支払った後も、先の見通しが立たなかった

 ご依頼者は、自分が送ったメッセージが残っている以上、支払いに応じなければならないのではないかと考え、治療費の一部を一度支払っていました。しかし、請求がどこまで続くのか見通しが立たず、応じなければ交際中の出来事を周囲に知られてしまうのではないかという不安も抱えるようになりました。

 ご自身だけで対応を続けることは難しいとお考えになり、当事務所にご相談のうえ、ご依頼をいただきました。

弁護士の対応と交渉の経緯

受任通知で連絡の窓口を一本化

 受任後、担当弁護士は速やかに受任通知書を送付し、以後の連絡窓口を当事務所に一本化しました。ご依頼者には相手方と直接やり取りをしないようお伝えし、請求への対応はすべて弁護士が行う体制を整えました。受任通知の働きについては、受任通知とは何か|送られると相手方との関係はどう変わるかもご参照ください。

 その後、相手方からは、請求の内容と理由を記した回答書が届きました。担当弁護士は、ご依頼者から当時のやり取りの記録をお預かりし、請求の根拠を一つずつ確認しました。

請求の根拠を検討し、書面で回答

 検討の結果、相手方が指摘する交際中のご依頼者の言動については、損害賠償の義務を生じさせるほどの違法性があるとはいえないと判断しました。また、ご依頼者が送ったメッセージについても、金銭を支払うという申し出にとどまり、ご依頼者に法的な支払義務を負わせるものとまではいえないと整理しました。担当弁護士は、これらの検討結果を連絡書にまとめ、相手方に送付しました。

 これに対し相手方からは、ご依頼者のメッセージを具体的に引用し、約束があったことを改めて主張する反論が届きました。担当弁護士は、引用されたやり取りを踏まえても請求に応じる法的な義務は生じないと考える理由を示し、再度書面で回答しました。やり取りを感情の応酬にせず、法的な根拠と結論を書面で一貫して伝えたことが、その後の展開につながりました。

請求が止み、様子を確認したうえで終結

 その後、相手方からは書面を受け取った旨の返信があり、それ以降、ご依頼者と当事務所のいずれに対しても、請求や連絡はありませんでした。ご依頼から約2ヶ月で請求は止まり、さらに3ヶ月以上、相手方からの接触がないことを確認したうえで事件を終結しました。

解決結果と対応のポイント

解決の内容

 本件の解決内容は、次のとおりです。

  • 治療費などの金銭の請求について、受任後は追加の支払いをすることなく終結しました。
  • 書面での反論の後、相手方からの請求と連絡が止まりました。
  • 弁護士が窓口となり、ご依頼者が相手方と直接やり取りする必要がなくなりました。
  • ご依頼から約2ヶ月で請求が止み、その後も接触がないことを確認して終結しました。


メッセージが残っていても、支払義務があるとは限らない

 別れ話の場面では、相手を落ち着かせたい、申し訳ないという気持ちから、「治療費は負担する」「必ず伝える」といった約束を口にしたり、メッセージで送ったりすることがあります。後日、そのやり取りが金銭請求の根拠として持ち出されるご相談も見られます。

 もっとも、メッセージのやり取りが残っているからといって、直ちに法的な支払義務が生じるとは限りません。金銭を支払うという約束は、内容や経緯によっては贈与の申し出と評価されることがあり、書面によらない贈与は、履行が終わっていない部分について解除することができるとされています(民法550条)。ただし、LINEなどのメッセージが同条の「書面」にあたるかどうかを含め、結論は個別の事情によって変わります。また、交際中の言動が不法行為(同法709条)として賠償義務を生じさせるかどうかも、具体的な事実に照らして判断される問題です。

支払いを続ける前に、根拠を確かめる

 一度支払いに応じると、それが次の請求につながることもあります。本件のように、請求の法的根拠を整理したうえで、応じる義務がないと考える理由を書面で示すことにより、請求が止まる場合があります。ただし、事案によっては支払義務が認められることもあるため、ご自身だけで結論を出さず、やり取りの記録を消さずに残したうえで、専門家に確認されることをおすすめします。

同種のご相談をお考えの方へ

 元交際相手からの請求は、交際中の出来事や別れ際のやり取りが絡むため、当事者同士で話し合うほど感情的になりやすく、どこまで応じるべきかの判断も難しくなりがちです。同棲の解消に伴う金銭の請求をめぐる別の解決事例として、【解決事例】同棲相手から過剰な金銭請求を受けた|弁護士の介入により根拠なき請求を拒絶し関係解消と退去を実現した事例もご紹介しています。

 弁護士が窓口となることで、相手方と直接やり取りをする負担を減らしながら、請求の根拠を一つずつ確かめていくことができます。

弁護士法人若井綜合法律事務所では、男女間のトラブルに関するご相談を池袋と新橋の事務所でお受けしています。
元交際相手から金銭を請求されてお困りの方、LINEなどで支払いを約束してしまい不安を抱えている方は、お一人で抱え込まず、一度ご相談ください。

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若井亮
専門家

若井亮(弁護士)

弁護士法人若井綜合法律事務所

風俗トラブルや男女トラブル、それに伴う刑事事件まで一貫して対応。累計相談件数は男女トラブル約23,000件、風俗トラブル約8,000件。全国からの相談を24時間受け付け、迅速な対応を心がけています。

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