眉のサロンの営業秘密を扱った事件
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
大手化学メーカの社員が、SNSで知り合った企業の社員に
会社の秘密情報を教えたとして逮捕された事件がありました。
経産省の調査によると、約3割の日本大企業で情報漏洩がおきているようです。
約4割の漏洩は、現職の従業員のミスによる漏洩。
約2.5割の漏洩は、正規社員の中途退職者による漏洩。
約1.1割の漏洩は、取引先や共同研究先を経由した漏洩。
約0.7割の漏洩は、現職従業員などによる具体的な動機をもった漏洩。
(今回の事件もこれに該当すると思います)
<営業秘密の保護条件>
法的に社内の秘密情報が、営業秘密として保護されるためには、
1。秘密管理性
2。有用性
3。非公知性
の3つの要件を満たす必要があります。
1。秘密管理性
これは、情報に接することができる従業員などが
秘密だとわかる程度の措置が必要とされています。
例えば、マル秘の表示や、秘密保持契約などによる対象の特定などが
挙げられます。
2。有用性
有用な営業上又は技術上の情報であることが必要です。
また、客観的に事業活動に利用されたり、
利用されることによって、役立つものであるもので、
実際に利用されていなくてもかまいません。
例えば、製造ノウハウや、顧客リストや、販売マニュアルなどが
挙げられます。
3。非公知性
公然と知られていないことが必要です。
第三者が偶然に同じものを開発していたとしても、
その第三者も秘密として管理していれば、
非公知と言えます。
一方、特許出願や、論文に出したりすると
非公知ではなくなります。
会社側としては、自社の秘密情報が万が一漏れたときに法的な処置がとれるように、
上記の3つの要件を満たすようにしておくことを勧めます。
(もちろん、流出させないことが一番です)
<営業秘密を漏洩した場合>
10年以下の懲役または、2000万円以下の罰金が科せられます。
(両方の場合もあります)
両罰規定もあり、法人の場合には5億円の両罰規定もあります。
近年、日本からの技術流出が問題になっています。
このため、技術流出の罰則も重いものになっています。
軽い気持ちで会社の秘密情報を流出することはやめた方が良いです。
参考:営業秘密の保護・活用について
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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