内装の意匠の保護対象化 その2
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
4月1日から施行される改正意匠法では、建築物の内装の意匠も保護対象となりました。
保護対象となる建築物の内装の意匠は、以下の3つの要件を満たす必要があります。
1。店舗、事務所その他の施設の内部であること
2。複数の意匠法上の物品、建築物又は画像により構成されるものであること
3。内装全体として統一的な美感を起こさせるものであること
1。店舗、事務所その他の施設の内部であること
1-1 店舗、事務所その他の施設に該当すること
内部で人が一定時間を過ごすためのもの(動産も含まれます)である場合「店舗、事務所、その他の施設」に該当すると判断されます。
例えば、店舗、事務所、宿泊施設、医療施設、興行場、住宅、客船、鉄道車両などが該当します。
1-2 内部に該当すること
施設の内部を主としたものであること。
ただし、施設内外のつながりを考慮した内装の創作があるため、開口部及び施設の内部に連続し、それに付随する外部が含まれていてもよいとされています。
保守目的でしか内部に入らないなど、施設の用途に照らした通常の使用状態において、その施設の利用者が肉眼によって視認することのない範囲のものは除かれます。
例えば、天井裏、床下、壁裏などが該当します。
(当たり前といえば、当たり前です。)
2。複数の意匠法上の物品、建築物又は画像により構成されるもの
2-1 意匠法上の物品、建築物又は画像により構成されるものであること
不適切なもの
人間や、犬、猫などの動物や、蒸気、煙など不定形のもの、香りや音、自然の地形そのものなどが不適切なものの例としてあげられます。
移動したり、不定形なものは権利範囲が明確にならないです。
照明の扱い
照明器具が点灯等することにより、内装自体に模様又は色彩が表れる場合は、当該色彩や模様についても、出願意匠の形態を構成する要素として取り扱われます。
2-2 複数の物品等から構成されること
改正意匠法第8条の2
「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾( 以下「内装」という。)を構成する物品、建築物又は画像に係る意匠は、内装全体として統一的な美感を起こさせるときは、一意匠として出願をし、意匠登録を受けることができる。」
一物品等一出願の例外として、複数の物品等から構成される内装について、一意匠として意匠登録を受けることができます。
一方、複数の物品等から構成されないものは、内装意匠として意匠登録を受けることができません。
ただし、一意匠で構成されている場合は、建築物の内部の部分意匠として意匠登録を受けることができる可能性があります。
3。内装全体として統一的な美感を起こさせるものであること
意匠全体として視覚的に一つのまとまりある美感を起こさせるものであれば本要件を満たしていると判断されます。
これを満たす場合、各々の構成物品等の全てに統一的な形態が表されているか否かは不問とされます。
内装の一部分について意匠登録を受けようとする場合は、意匠登録を受けようとする部分が、本要件を満たしているか否かを判断されます。
参考改訂意匠審査基準案の概要
その1なので、明日に続くはずです。
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