- お電話での
お問い合わせ - 03-5979-2168
コラム
中国特許のマルチクレーム
2012年6月22日 公開 / 2014年7月31日更新
プロシード国際特許商標事務所の鈴木康介です。
中国特許出願の実務で、「出願時点では、意図的に少なくとも一つは「マルチ×マルチ」を残しておいた方がよい。一発特許査定を防止して、特許査定となりそうなクレームが明確になったときに語訳がないことを確認するため(逆翻訳的な効果を狙う)。」という話を聞いたらしく、以下の質問を受けました。
質問1.
中国特許実務では、「マルチ×マルチ」“だけ”の拒絶理由(新規性等の特許性の判断なし)がくるケースが多いため、拒絶理由対応が1回増えることになる。 出願時点から「マルチ×マルチ」を解消しておいて、「マルチ×マルチ」の拒絶理由を回避した方がいいのではないか?
回答1.
現行中国専利法実施細則第22条第2項によれば、「2つ以上のクレームを引用する多項従属クレーム(multiple dependence of claim)は、他の多項従属クレームの基礎としてはならない」と規定されています。
中国専利局は「マルチのマルチクレーム」の書き方を認めていないため、修正する必要があると認められることが一般的です。
意図的に請求項の範囲に少なくとも一つの「マルチのマルチクレーム」を残しておく方法を通じて、誤訳がある場合、そのタイミングで解消できるかも知れませんが、拒絶理由への応答手続きも1回増えます(このため、コストがかかります)。
ただ、この方法にリスクもあります。理由は、2010年2月1日から施行された新規「審査指南」(審査ガイドライン)では、中間処理の段階において、出願人が明細書の記載に基づいても、自発的に出願時の請求の範囲に記載のない従属項を新たに追加してはならない、と規定されているためです。
質問2.
語訳がないことを具体的にどうやって確認するのかよくわからない?
審査段階で逆翻訳するのか?それとも、単なる時間稼ぎか?
回答2.
時間稼ぎの可能性が高いです。
誤訳を防ぐには、以下の方法が有効です
1.ダブルチェックを行う。
2.実力のある事務所や代理人に依頼する
3.中国代理人に参照させ、誤訳を回避するため、日本語の明細書と共に、英語の明細書(又は、誤訳しやすいところの英語版)も提供する。
ご相談・お問い合わせ・取材はお気軽に
↓↓↓
03-5979-2168(平日9:00~17:00)
メール info@japanipsystem.com
http://www.japanipsystem.com/ask/index.html
Facebookで中国知財情報をまとめています。
http://www.facebook.com/Chinatrademark
Twitterは、こちらです。
↓↓↓
http://twitter.com/japanipsystem
マイベストプロ東京 中国商標・中国知財に強い弁理士
プロシード国際特許商標事務所の取材記事はこちら!
http://mbp-japan.com/tokyo/suzuki/
お読み頂きありがとうございました。
弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
Web:http://japanipsystem.com/
関連するコラム
- 中国の専利のライセンス契約 2020-01-13
- 知的財産権民事事件の審理における懲罰的賠償の適用に関する最高人民法院の司法解釈 2021-03-09
- 中国の中外合資経営企業法実施条例の改正内容(国務院令第709号) 2020-01-10
- 中国の代理人制度 2012-04-21
- 中国の技術輸出入管理条例の改正内容(国務院令第709号) 2020-01-09
コラムのテーマ一覧
- 勉強
- 憲法
- 独占禁止法
- 欧州商標
- 書評
- 中国 著作権法
- 雑記
- 知財一般
- 実務
- インド
- 標準化
- 弁理士
- 表現の自由
- 中国 風習
- システム
- 価値評価
- 中国 特許
- 特許庁
- 海外商標
- 海外知財
- 欧州特許
- ツール
- JPlatPat
- 不正競争防止法
- 特許法
- 出願ソフト
- フィリピン 商標
- 米国法
- 台湾 商標
- 韓国 不正競争防止法
- 独占禁止法
- 意匠法
- 商標法
- 知財法
- 国際 出願件数
- 著作権 広告
- 商標登録 ゲーム
- 商標の類否判断
- 商標訴訟
- 著作権
- イギリス
- iPhone
- 中国商標法 改正
- 営業秘密
- 中国 ビジネス情報
- 商標 Q&A
- 中国商標 侵害
- インドネシア 意匠
- インドネシア 商標
- 中国 マーケティング
- インドネシア 進出
- 中国商標 調査 検索
- 中国商標 統計
- 中国専利法
- 中国 ブランド
- 中国 契約 ライセンス
- 海外進出 知財
- 中国商標 地名
- 中国 営業秘密
- 中国商標 異議申立
- 中国商標 指定商品 指定役務
- 中国 ドメイン
- 中国商標 類否
- 中国ビジネス
- 中国法
- 商標登録
- 知財戦略
- 中国商標
- 中国商標 登録
カテゴリから記事を探す
鈴木康介プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。
鈴木康介のソーシャルメディア