職場の“いじり”はどこからパワハラになるのか/会社が確認すべきポイント
今日もありがとうございます。
人事トラブルを整理する「人の専門家」
ハーレー好きの社労士 キャプテン ヒデです。
私はハーレーに乗って23年になります。
公式のライフタイム・マイルも10万マイルを達成しました。
10万マイルというと、キロに直せば約16万キロです。
ずいぶん走ってきたなと思います。
ハーレーに長く乗っていると、単に「バイクの性能」だけでは説明できない魅力を感じます。
もちろん、エンジンの鼓動やスタイル、走っているときの気持ちよさは大きな魅力です。
でも、それだけなら、ここまで長く乗り続けていなかったかもしれません。
ツーリング先での出会い。
販売店との長い付き合い。
同じハーレーに乗る仲間との会話。
旅の記憶。
そして、ハーレーに乗っていることへの、ちょっとした誇り。
そうしたものが積み重なって、ハーレーは私にとって、単なる移動手段ではなくなっています。
以前、『ハーレーダビッドソン 経営再生への道』という本を読みました。
ハーレーに乗っている者として、単なる経営書というより、自分の好きなブランドがどのように立ち直っていったのかを知る本として、興味深く読みました。
読み終えて強く考えさせられたのは、バイクの性能や販売戦略だけではありません。
会社を支えているのは、商品だけではない。
そこで働く社員、商品を届ける販売店、長く付き合ってくれる顧客。
その人たちとの関係が、会社の強さを作っている。
私には、そのように読めました。
この本は、ハーレーという有名ブランドの復活物語としても読めます。
しかし私には、それ以上に、人に支えられる会社づくりの本として印象に残っています。
ハーレーは、バイクだけを売っているわけではない
ハーレーに乗っていると、スペックだけでは説明できない魅力を感じます。
速さだけを求めるなら、ほかにも選択肢はあります。
便利さや扱いやすさだけで考えれば、別のバイクを選ぶ人もいるでしょう。
それでも、ハーレーを選ぶ人がいます。
そして、長く乗り続ける人がいます。
なぜか。
私自身、23年乗ってきて思うのは、ハーレーは単なる移動手段ではないということです。
ツーリングに出る時間。
エンジンの鼓動。
旅先で同じハーレー乗りと自然に会話が始まる瞬間。
販売店に立ち寄ったときの何気ない会話。
10万マイルを走ってきたからこそ感じる、自分の人生の一部になっているような感覚。
そういうものまで含めて、ハーレーというブランドなのだと思います。
これは、会社経営にも通じる話です。
お客様は、商品やサービスの内容だけで会社を選んでいるわけではありません。
「この会社なら安心できる」
「この人たちに頼みたい」
「困ったときに誠実に対応してくれる」
「担当者が変わっても、この会社とは付き合いたい」
そう感じるから、長く付き合ってくれるのではないでしょうか。
価格や機能だけで選ばれる関係は、もっと安いもの、もっと便利なものが出てくれば、簡単に比較されます。
しかし、信頼で選ばれる会社は、そう簡単には代替されません。
顧客に選ばれる会社は、社員の表情にも出る
顧客対応の質は、現場で働く社員の状態にかなり左右されます。
社員が会社に不信感を持っている。
上司との関係が悪い。
評価に納得していない。
相談しても聞いてもらえない。
一部の社員にだけ仕事が偏っている。
このような状態で、顧客に対して長く良い対応を続けるのは難しいものです。
もちろん、社員は仕事としてお客様に対応します。
しかし、会社への不満や疲れは、どこかで表情や言葉、対応の温度に出ます。
たとえば、電話対応がどこか事務的になる。
クレーム対応を「また自分だけがやらされる」と感じる。
困っているお客様に対して、もう一歩踏み込む余裕がなくなる。
社内の不満が、顧客対応の細かい部分ににじみ出る。
こうしたことは、実際の現場でも起こります。
反対に、自分の仕事に一定の誇りを持てている社員の対応は、顧客にも伝わります。
それは、派手な福利厚生があるかどうかだけではありません。
たとえば、
・評価の理由をきちんと説明してもらえる
・困ったときに相談できる
・上司が、結果だけでなく途中の努力も見てくれている
・理不尽な扱いを受けない
・必要なときには、きちんと指導してもらえる
・自分の仕事がお客様や会社にどう役立っているか分かる
こうした一つひとつの積み重ねが、社員の会社に対する信頼につながります。
そして、その信頼は、最終的には顧客対応にも表れていきます。
「人を大切にする」は、気持ちだけでは続かない
経営者の方とお話ししていると、社員を大事にしたいという思いを持っている方は多いと感じます。
「社員には長く働いてほしい」
「できるだけ働きやすい職場にしたい」
「うちの会社を好きでいてほしい」
その思い自体は、とても大切です。
ただ、現場では、その思いが社員にうまく伝わっていないことがあります。
たとえば、
・評価の基準があいまいになっている
・管理職によって指導方法が違う
・忙しさの中で面談が後回しになっている
・一部の社員に仕事が偏っている
・問題行動がある社員に注意できず、まじめな社員が疲れている
・ハラスメントを恐れるあまり、必要な指導まで止まっている
このような状態が続くと、社員の側には不満が残ります。
経営者としては、社員を大切にしているつもりでも、社員から見ると、
「自分たちのことを見てくれていない」
「結局、頑張っても報われない」
「言ったもの勝ちになっている」
「まじめにやる人ほど損をしている」
と感じられてしまうことがあります。
ここが、会社づくりの難しいところです。
「社員を大切にしたい」という気持ちは大切です。
しかし、気持ちだけでは現場は回りません。
評価、面談、就業ルール、管理職の関わり方、相談しやすい雰囲気。
こうしたものが現場で使える形になって、ようやく社員に伝わっていきます。
好かれる会社は、甘い会社ではない
社員に愛される会社というと、何でも社員の希望を聞く会社をイメージするかもしれません。
しかし、それは違います。
社員から信頼される会社は、必要なことをきちんと伝える会社でもあります。
問題がある行動には注意する。
仕事の基準は明確にする。
評価の理由を説明する。
一部の社員だけを特別扱いしない。
ルール違反は放置しない。
こうした対応があってこそ、まじめに働いている社員が安心できます。
社員に優しい会社とは、単に厳しいことを言わない会社ではありません。
社員を一人の人として尊重しながら、必要な指導や説明を行う会社です。
これは、ハラスメント防止とも関係します。
最近は、パワハラを恐れて上司が何も言えなくなるケースもあります。
しかし、何も言わないことが本当に社員のためになるとは限りません。
必要な指導を避ければ、本人の成長機会も失われます。
周囲の社員にも負担がかかります。
結果として、職場全体の信頼が崩れてしまうこともあります。
もちろん、「言い方」や「伝え方」には注意が必要です。
人格を否定しない。
感情的に叱らない。
人前で必要以上に責めない。
事実と行動に焦点を当てる。
改善してほしいことを具体的に伝える。
こうした配慮は必要です。
ただし、会社として必要なことを伝える姿勢まで失ってはいけません。
顧客から愛される会社は、社員を置き去りにしない
中小企業にとって、価格競争だけで勝ち続けるのは簡単ではありません。
安さだけで選ばれる会社は、さらに安い会社が出てくれば比較されます。
しかし、
「あの会社だから頼みたい」
「あの人たちなら安心できる」
「何かあったときに相談しやすい」
と思ってもらえる会社は、簡単には代替されません。
そのためには、顧客対応を担う社員が、会社に対して一定の信頼を持っていることが大切です。
社員が疲れ切っている会社で、顧客にだけ良い顔をし続けるのは難しいものです。
社員を大事にしないまま、顧客満足だけを高めようとしても、どこかで無理が出ます。
顧客から選ばれる会社を作るには、まず社内に目を向ける必要があります。
難しい理論ではなく、まずは次の問いを考えてみるだけでもよいと思います。
社員は、自社のことを人に勧められるでしょうか。
社員は、自分の仕事に少しでも誇りを持てているでしょうか。
顧客は、担当者が変わってもこの会社と付き合いたいと思ってくれるでしょうか。
この問いに向き合うことが、会社づくりの出発点になります。
中小企業こそ、「人との距離の近さ」を強みにできる
大企業と同じような給与水準や福利厚生を用意することは、簡単ではありません。
しかし、中小企業には中小企業の強みがあります。
社長が現場の様子を直接見られる。
社員の変化に気づきやすい。
顧客の声が直接入ってくる。
「これは変えた方がいい」と思えば、比較的早く運用を変えることができる。
これは、大きな強みです。
一方で、距離が近いからこそ、経営者の言葉や態度、管理職の対応、評価の不公平感も伝わりやすいです。
良い部分も伝わりやすい。
悪い部分も伝わりやすい。
だからこそ、中小企業では、職場づくりや人事の運用がとても重要になります。
たとえば、
・就業規則を現場に合う形に整える
・評価の基準を説明できるようにする
・定期的に面談を行う
・管理職に、注意や指導の仕方を共有する
・ハラスメントを防ぐためのルールを確認する
・社員が相談しやすい窓口や流れを作る
これらは、単なる事務手続きではありません。
社員が安心して働き、顧客に対しても誠実に向き合える会社を作るための土台です。
会社は、制度だけでも気合いだけでもよくならない
会社は、制度だけでよくなるわけではありません。
立派な就業規則や評価制度を作っても、現場で使われていなければ意味がありません。
一方で、経営者の思いや気合いだけでも限界があります。
「うちは家族的な会社だから」
「何かあれば話せばわかる」
「社員にはちゃんと伝わっているはず」
そう思っていても、社員側には違う受け止め方をされていることがあります。
社長は説明したつもりでも、社員には伝わっていない。
管理職は指導したつもりでも、社員には感情的に叱られたと受け止められている。
就業規則はあるのに、現場では誰も見ていない。
評価制度はあるのに、評価理由が説明されていない。
こうしたズレは、どの会社でも起こり得ます。
大切なのは、経営者の思いを、現場で動く形にすることです。
そのためには、制度と運用の両方が必要です。
評価の基準を整える。
面談で伝える。
管理職の対応をそろえる。
相談しやすい流れを作る。
トラブルが起きたときの対応を決めておく。
こうした地道な取り組みが、社員からの信頼につながります。
そして、その信頼は、顧客への対応にも表れていきます。
まとめ:社員が誇れる会社は、顧客からも選ばれる
『ハーレーダビッドソン 経営再生への道』を読んで、改めて感じたことがあります。
会社は、商品だけで成り立っているのではありません。
社員、販売店、顧客。
会社に関わる人たちが、その会社にどのような気持ちを持っているのか。
そこに、経営の強さが表れるのだと思います。
社員が自社に誇りを持てる会社は、顧客にもよい空気が伝わります。
顧客から信頼される会社は、価格だけではない理由で選ばれます。
もちろん、すぐに理想的な会社になるわけではありません。
ただ、できることはあります。
評価の説明を見直す。
管理職の指導方法を整える。
社員の声を聞く場を作る。
就業規則やルールを現場に合う形にする。
ハラスメントを防ぐための対応を確認する。
必要な指導ができる管理職を育てる。
こうした一つひとつの積み重ねが、会社の信頼を作っていきます。
社員にも、顧客にも、長く付き合いたいと思われる会社。
中小企業こそ、そこを目指す価値があるのではないでしょうか。
最後に
「社員が定着しない」
「評価制度がうまく機能していない」
「管理職の指導にばらつきがある」
「職場の雰囲気をよくしたいが、何から始めればよいかわからない」
「社員には伝えているつもりなのに、現場に浸透していない」
こうしたお悩みは、制度だけを作れば解決するとは限りません。
就業規則、人事制度、管理職の関わり方、日々のコミュニケーション。
それらを現場に合う形で整えていくことが大切です。
当事務所では、就業規則の整備だけでなく、評価制度、管理職の指導方法、面談の進め方、ハラスメント防止、職場のコミュニケーション改善まで、会社の状況に合わせて整理しています。
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