労働基準監督署から調査通知が届いたとき、会社はどう対応すべきか【人事トラブル相談室19】

桐生英美

桐生英美

テーマ:労務管理

ある日突然、会社に

「労働基準監督署からの調査通知」

が届いたら、
多くの経営者は驚きや不安を感じるのではないでしょうか。

「何か問題があるのではないか」
「大きなトラブルになるのではないか」

そのように心配される方も少なくありません。

しかし実務の経験から申し上げると、
労働基準監督署の調査は

必ずしも「会社が悪いことをしている」という前提で行われるものではありません。

むしろ、

会社の労務管理を見直すきっかけ

と捉えることができます。

今回は、労働基準監督署の調査について
実務の視点から整理してみたいと思います。

労働基準監督署の調査には主に2つの種類がある

労働基準監督署の調査には、主に次の2種類があります。

呼び出し調査

会社の担当者が
労働基準監督署へ出向き、

労働者名簿

賃金台帳

タイムカード

雇用契約書

就業規則

などの書類を提出して説明する調査です。

事前に通知が届くことが多く、
必要書類を準備して対応します。

臨検監督(立入調査)

もう一つは、

臨検監督

と呼ばれる調査です。

これは監督官が
会社や事業所を訪問し、

労働時間管理

労働条件

安全衛生管理

などを確認する調査です。

現場の状況を直接確認するため、
事業所で実施されるのが特徴です。

なぜ労働基準監督署の調査が行われるのか

労働基準監督署の調査は、
いくつかの理由で行われます。

例えば

定期監督(無作為抽出)

労災発生をきっかけとした調査

労働者からの申告

特定業種への重点監督

などです。

特に

建設業

運送業

飲食業

などは、

労働時間や安全衛生の観点から
重点的に調査されることがあります。

ただし、
定期監督の場合は

いわば「労務管理の点検」

という意味合いが強いものです。

調査で重要なのは「誠実な対応」

労働基準監督署の調査で
最も重要なのは

誠実な対応

です。

具体的には、

書類に虚偽がないこと

労働時間を正確に説明すること

指摘事項があれば改善すること

などです。

例えば、

残業代の計算方法に問題がある場合、
監督官から

是正勧告

が出されることがあります。

この場合、

指摘事項を改善し
是正報告書を提出する

ことで対応します。

多くの場合、

すぐに大きな処分が行われるわけではなく、
まずは

改善を求める行政指導

という形になります。

労基署調査は「会社の定期健診」

私は経営者の方に、

労働基準監督署の調査を

会社の「労務管理の定期健診」

のようなものと説明しています。

会社の健康診断のように、

問題がないか確認する

必要があれば改善する

という機会です。

実際、経営者の中には

労働時間管理

残業代の計算

就業規則の整備

などについて

正確に理解していないケース

も少なくありません。

調査をきっかけに、

労務管理を見直すことで
会社のリスクを減らすことができます。

社会保険労務士のサポート

労働基準監督署の調査では、

事前準備

調査対応

是正報告

など、

専門的な対応が必要になる場合があります。

顧問社労士がいる場合は、
調査への同席を依頼することで

より安心して対応することができます。

また、

顧問契約がない場合でも
スポットでの対応を依頼することは可能です。

まとめ

労働基準監督署から調査通知が届くと、
多くの経営者は不安を感じます。

しかし実務の視点から見ると、

労基署調査は

会社の労務管理を見直す機会

でもあります。

労働時間管理

残業代計算

就業規則

労務管理体制

を整えることで、

会社のリスクを減らすことができます。

同じような問題でお悩みの経営者の方は、
早めに専門家に相談することをおすすめします。

労働基準監督署の調査対応や
労務管理体制の整備についても
ご相談を承っております。

※本記事は執筆時点の法令・行政実務をもとに作成しています。
制度運用は変更される可能性があるため、最新情報の確認が必要です。

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Mybestpro Members

桐生英美
専門家

桐生英美(社会保険労務士)

日本経営サポート株式会社

民間企業での人事経験25年、社労士登録30年。労基署対応、労務トラブル、ハラスメント・カスハラ、問題社員対応を、経営と法令の両面から現場目線で整理し、中小企業の判断と実務対応を支援します。

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