「口が堅い」は、宣伝できない①

熊澤彰

熊澤彰

テーマ:ビジネス・業販



お客様からの絶大な信頼の証拠、「口の堅さ」


銀座のふぐ職人、熊澤でございます。

私を含めまして、プロフェッショナルの、憧れの言葉

「口が堅い」

イイですよねー。

当店について、この言葉を、お客様が次々と伝えて下さったのなら、

私はこのコラムを、書かずにも、済んでいるかもしれません。

順風満帆な営業の際にこそ、忘れていらっしゃる方も、いるかもしれませんが、

「大切なお話の時こそ、頼りにされる」

これは、プロの夢のひとつです。

大切な話は、誰にも、聞かれたくない。

だからこその、「口の堅さ」を、店の強みにしたい、と選んだ。

それを具現化したくて、

私が店の規模を、小さく絞ったのも、事実でございます。

ところで、この、「口の堅さ」、

どう~にも、宣伝ができないんですよ。

だって、

「私は、口が堅いです」

と、そのまま書いたら・・、それこそ、口、軽そうでしょ?

ほかの言葉で言い表せるなら、宣伝できるのに


SNSを縦横無尽に使いこなされる、現代のビジネスでは、

この「口の堅さ」を、どうにも理解できない、

青クサイ言葉だ、とお考えの方も、とっても、沢山いらっしゃいます。

まったく構いません、青クサイまま、コラムを進めます。

店を一日一組に、リフォームするとき、

こればっかりは、

何か、ぴったりな言葉を、用意しておくんだったなー、と、思いました。

おかげで、私は今も、一生懸命、言葉を探しております。

「プライバシーに配慮」

でも、口が堅い、って、う~ん、何か、もう少し違うんですね。

「秘密厳守」

もっと違う。

困った時に、4文字熟語で片づけてほしくない。

ただ、なんだかこう、今の世の中の、

人の心の、中の中まで、アケスケに扉を開けたがるような風潮とは、

私の店は、チョットだけ、違いますよ、と、言いたい、それだけなんですが。

ビジネスの、一番最初に心がけないと、「口の堅さ」は守れない


「無口」と、「口が堅い」は、似ているようでいて、最後が違う。

エラそうに申し上げてしまいますが、

「口が堅い」人は、案外に、話題豊富です。

要は、ゲストの方が、大事なお話も、安心してできるように、

雰囲気を作ることができる人。

時には、全く関係ないお話に、振ってみたり。

そして、その景色を、ご自分の胸にだけ、留め続けられる人、です。

これは、ビジネスの、ごく初期のお客様から、心がけていないと、守れません。

当然ながら、職種にも、よりますが、

「こんなお客様が来ましてね」

なんて、サービス業では、ありがちなお話も、

「口の堅さ」をウリにしたいのなら、

今日明日、またいらして下さるかもしれない方のお話は、できない。

自然、残念ながら亡くなったお客様のお話、

亡くなって、何年も経って、

懐かしいな、と感じる方が、とっても増えてから、になってきます。

当然、それだけ長く、ビジネスを続けていないと、できない。

「口の堅さ」を守るなら、最初から、慎重に心がけて、

評価が出るまでには、長く、長く、かかります。

ーその2に続く



<毎週日曜・水曜 12:30に更新します>

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熊澤彰
専門家

熊澤彰(ふぐ調理師)

ぎんざ姿

ふぐ調理師として40年以上の技術を、銀座で1日1組、最大6名の個室「ぎんざ姿」でふるう。自ら日本全国を渡り歩いて選んだ食材は、店舗と、オンラインショップで入手可能。

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