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経営者に必要なのはフレームワークではなく「視点」である【経営者のためのフレームワーク活用術11】

橋本貢

橋本貢

テーマ:経営者のためのフレームワーク活用術


経営に正解はありません。

私は経営支援の仕事をしています。

そのため、

「どうすれば売上が上がりますか」

「どうすれば利益が増えますか」

「どうすれば会社は良くなりますか」

という質問をいただくことがあります。

しかし、

正直に申し上げれば、

万能の答えはありません。

なぜなら、

経営は問題集ではないからです。

数学のように、

条件が同じなら答えも同じになるわけではありません。

同じ業界でも。

同じ規模でも。

同じ地域でも。

同じ商品でも。

結果は大きく変わります。

なぜでしょうか。

経営者が違うからです。

フレームワークは地図である

このシリーズでは何度も書いてきました。

フレームワークは便利です。

思考を整理できます。

議論ができます。

共通言語になります。

しかし、

フレームワークは地図です。

現実そのものではありません。

地図があるから目的地に着けるわけではありません。

地図を見て、

現在地を確認し、

進む方向を考え、

時には道を変えながら進む。

その判断をするのは人です。

経営も同じです。

SWOT分析をしたから成功するわけではありません。

3C分析をしたから成長するわけではありません。

KPIを設定したから業績が上がるわけではありません。

それらをどう解釈し、

どう意思決定するかが重要なのです。

見えるものと見えないもの

経営には、

見えるものがあります。

売上。

利益。

資金繰り。

顧客数。

市場シェア。

これらは数字になります。

だから分析できます。

しかし、

見えないものもあります。

信頼。

理念。

文化。

情熱。

覚悟。

人間関係。

これらは数字になりません。

だから軽視されがちです。

しかし、

実際の経営では、

見えないものの方が長期的な競争力を左右することがあります。

私は、

見えるものを軽視してはいけないと思っています。

同時に、

見えないものを軽視してもいけないと思っています。

経営者に求められるのは、

両方を見る力です。

経営とは選択の連続である

経営者の仕事を一言で表現するとしたら、

私は

「選択」

だと思います。

何をやるか。

何をやらないか。

誰と組むか。

誰を採用するか。

どこへ投資するか。

何を残すか。

何を変えるか。

毎日が選択です。

そして、

選択には正解がありません。

未来が分からないからです。

だからこそ、

経営者に必要なのは知識だけではありません。

判断するための視点なのです。

知識よりも視点

私はこれまで多くの経営者とお会いしてきました。

そこで感じることがあります。

成功している経営者が、

必ずしも経営理論に詳しいわけではない。

ということです。

もちろん勉強熱心な方もいます。

しかし、

必ずしもMBAを持っているわけでもありません。

経営学を体系的に学んでいるわけでもありません。

それでも成果を出している。

なぜでしょうか。

物事を見る視点が優れているからです。

顧客を見る視点。

社員を見る視点。

市場を見る視点。

未来を見る視点。

そして、

自分自身を見る視点です。

視点が変わると景色が変わる

経営支援をしていて、

最も大きな変化は何かと聞かれたら、

私は

「社長の見ている景色が変わること」

だと答えます。

売上だけを見ていた人が、

利益構造を見るようになる。

利益だけを見ていた人が、

顧客との関係を見るようになる。

顧客だけを見ていた人が、

社員の成長を見るようになる。

現在だけを見ていた人が、

未来を見るようになる。

視点が変わる。

すると、

問いが変わる。

問いが変わる。

すると、

意思決定が変わる。

意思決定が変わる。

すると、

会社が変わる。

私は経営とは、

そういうものだと思っています。

「経」と「営」

最後に、

私自身が経営を考える際に大切にしている考え方をお伝えしたいと思います。

それは、

「経」と「営」

です。

経営という言葉を、

私はあえて二つに分けて考えています。

「経」とは、

変わらないものです。

理念。

価値観。

存在意義。

何のために会社があるのか。

誰のために存在するのか。

どのような価値を届けたいのか。

これは簡単には変えてはいけません。

会社の軸だからです。

一方で、

「営」とは、

変えるものです。

商品。

サービス。

営業方法。

組織体制。

採用方法。

マーケティング。

業務プロセス。

市場環境に合わせて、

柔軟に変えていかなければなりません。

経営とは、

変わらないものを守りながら、

変わるものを変え続ける営みなのです。

フレームワークの役割

では、

フレームワークは何のためにあるのでしょうか。

私は、

「営」を考えるための道具だと思っています。

市場を分析する。

競争環境を理解する。

業務を改善する。

数字を管理する。

これらはすべて営の領域です。

しかし、

経を決めることはできません。

会社は何のために存在するのか。

どんな未来をつくりたいのか。

何を大切にするのか。

これは、

経営者自身が決めなければなりません。

だから私は、

フレームワークを学ぶことは大切だと思います。

しかし、

フレームワークに頼り過ぎてはいけないとも思っています。

経営者に必要なのは、

フレームワークではなく視点だからです。

シリーズの終わりに

このシリーズでは、

11回にわたってフレームワークについて考えてきました。

しかし、

本当にお伝えしたかったことはシンプルです。

フレームワークを覚えることが目的ではない。

フレームワークを使って、

物事を多面的に見る力を養うことが目的である。

ということです。

経営環境は変わり続けます。

技術も変わります。

市場も変わります。

社会も変わります。

だからこそ、

一つの答えに頼ることはできません。

必要なのは、

変化を捉える視点。

本質を見抜く視点。

人を見る視点。

未来を見る視点です。

そして、

その視点をもとに決断する勇気です。

私は、

それこそが経営者に求められる最も重要な能力だと思っています。

フレームワークは、そのための補助線です。

主役はフレームワークではありません。

経営者自身です。

そして、

経営とは、

変わらない「経」を持ちながら、

変わり続ける「営」を実践する、

終わりのない旅なのだと思います。

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橋本貢
専門家

橋本貢(経営コンサルタント)

しずおか経営サポート

表面的な課題ではなく、売上・組織・戦略の根本構造を見極め、本質的な打ち手を実行まで伴走支援します。経営者の意思決定に寄り添い、成果に直結する改善を行います。

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