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年は忘れて考えない

谷津吉美

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テーマ:東洋医学の知恵袋



年は忘れて考えない (考えすぎる方に、三黄散)
沖縄の泉重千代さんの長寿十訓からの言葉です。
人は不安を感じる動物です。特に先への不安はより強く感じてしまいます。取り越し苦労は、過去にあった辛い思い出から作り上げてしまうこともあります。「年は忘れて考えない」とは、過去未来にとらわれないで、今を精一杯生きるということかもしれません。泉さんの言葉の意味深さが読み取れます。
 さて、ここで漢方医学の話を少し。考えすぎることを漢方では「気の病」と言います。「病は気から」ともいいますが、考えすぎて頭が充血してしまう事をいいます。頭に熱を帯びてしまいますから「頭を冷やせ」となるわけです。パソコンで言うフリーズ状態です。この状態のときに「三黄散(さんおうさん)」という漢方薬を使います。大黄、黄連、黄芩の三つの「黄」からつけられました。この成分は、身体の鬱熱を冷やす働きがあるため、当に頭を冷やす漢方薬なのです。火傷、高血圧、動脈硬化、脳血管障害、便秘、二日酔い、血尿、神経衰弱、ノイローゼ、不安、イライラ、心悸亢進、のぼせ、どもり、不眠、痔の出血、皮膚病、めまい、耳鳴り、難聴、結膜炎、眼底出血、口内炎、歯痛等等、多くの症状に使われます。これは、私たちが手作りで作っている漢方薬の一つです。
 泉さんは、「健康はお天道様のおかげ」とも言っています。考えすぎず、自然に沿った生き方で、感謝の気持ちを忘れなければ、きっと健康で長生きをさせてもらえると思います。

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谷津吉美
専門家

谷津吉美(薬剤師)

有限会社むつごろう薬局

漢方医学を専門に23年。不妊症をはじめ各種女性の悩み・アレルギー・皮膚病・自律神経失調症などの症状に、深い知識で丁寧に対応。また静岡県立高校の進路指導講演会や不妊専門雑誌などで漢方薬を広めています。

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