生薬の話 『石膏(セッコウ)』
生薬として人参と呼ばれるものは大きく分けて3つです。
① 御種人参・・・「別名」薬用人参・紅参・朝鮮人参・高麗人参
② 竹節人参
③ 田七人参
今回は①の御種人参を中心にお話します。
野菜の人参は、種を蒔いてから約半年で収穫できるのに対し、これらの人参は6年前後の年月を要します。
さらに病虫害が多く、高温多湿が苦手、直射日光が苦手と、栽培が大変難しい植物です。
日本では、鎌倉時代より会津藩で栽培されており、江戸時代には幕府より種苗が配られたことから「御種」の名が付いたそうです。
今でも福島県では栽培されています。
御種人参は秋に収穫され、水洗い、湯通し、天日干しの工程を経て晴れて薬用とします。
何故これ程までの手間隙をかけるかと言えば、肉体的にも精神的にも元気になるからです。昔から、不老長寿の薬として珍重されています。
御種人参は新陳代謝を活発にし、内分泌機能を高めます。
体内ステロイドと呼ばれる副腎皮質ホルモンを促すことで自然治癒力が付いてきます。
中国では戦時中、金と同じ価値があるとされました。
②の竹節人参は、1年毎に竹のような節を作りながら根が伸びるのでこう呼ばれています。
去痰、解熱、健胃作用があり、風邪や胃腸病などに使用します。
③の田七人参には止血、消炎、鎮痛、強心作用があり、悪性腫瘍をはじめ高血圧や狭心症、糖尿病などに使われます。
《①②が使われている漢方》
温経湯 : 半夏・麦門冬・当帰・川キュウ・芍薬・御種人参・桂皮・牡丹皮・甘草・生姜・呉茱萸
小柴胡湯: 柴胡・半夏・黄ゴン・竹節人参・大棗・生姜・甘草