【引き算コーチング】人は、役割を演じている
こんにちは、
サポートコーチ出雲の山根浩二です
コーチングをしていると、
ときどき面白い瞬間があります。
クライアントさんが、
「あ、そういうことか。」
と、ふっと何かに気づかれる瞬間です。
その「何か」は、必ずしも答えとは限りません。
・新しい考え方だったり。
・今までとは違うやり方だったり。
・「こんな方法もあるんだ」という発想だったり。
・あるいは、ずっと心の中にはあったのに、
自分では「これは違う」と
排除していたものだったりします。
私は、そこにコーチングの大きな価値が
あるんじゃないかなと思っています。
普段、私たちは普通に生活しています。
仕事をして、
人と話して、
家族と過ごして、
いろいろなことを考えながら
毎日を過ごしています。
もちろん、悩みがあれば一生懸命考えます。
・「どうしたらいいんだろう。」
・「何か方法はないかな。」
・「このままではいけないな。」
そうやって考える。
でも、それでも答えが出てこないことがあります。
なぜでしょう?
考える力がないからでしょうか。
私は、そうとは限らないと思っています。
もしかすると、
今までと同じ場所から
考えているからなのかもしれません。
人は、自分が経験してきたことや、
知っていること、
信じていることを材料にして考えます。
だから、一人で考えていると、
どうしてもその範囲の中で
答えを探すことになります。
もちろん、
それで答えが見つかることもあります。
でも、ときには、
そこにはないものを
探していることもあるんですよね。
だから私は、コーチングでは
「答えを出す」ことだけを目的にしたくないんです。
むしろ、
「今まで考えたことがなかった何かに出会う。」
そんな時間にしたいと思っています。
たとえば、クライアントさんが、
「いや、それは無理だと思います。」
と最初に言われたことが、話をしているうちに、
「……でも、もしかしたら、それもありかもしれませんね。」
に変わることがあります。
別に、最初の考えが間違っていたわけではありません。
そのときは「無理だ」と思う理由があったんです。
ただ、別の角度から見てみると、
「あれ、最初から選択肢から
外さなくてもよかったのかもしれない。」
となる。
そんなことがあります。
また、もともと本人の中に答えがあった、
ということもあります。
でも、
・「こんなことを言ったら笑われる。」
・「そんなことは現実的じゃない。」
・「自分には無理だ。」
・「今さらそんなことを言えない。」
そんなふうに、自分でその答えを排除している。
だから、表には出てこない。
でも、誰かと話しているうちに、ふっと出てくる。
「あれ? そういえば、
昔から本当はこうしたかったのかもしれない。」
そんな瞬間です。
私は、こういう瞬間がとても好きです。
なぜなら、
コーチが答えを与えたわけではないからです。
クライアントさんの中にあったものが、
対話によって表に出てきただけなんです。
逆に、今まで本人の中にもなかったような
アイデアが出てくることもあります。
・「じゃあ、こういうやり方はどうだろう。」
・「それなら、こんな方法もできるかもしれない。」
・「今までと違う形なら、やってみてもいいかも。」
こういうときは、私も、
「なるほど。そこに行きましたか。」
と思います。
私が考えていた答えとは違う。
でも、それでいいんです。
むしろ、そのほうが面白い。
前回のコラムで、
コーチングは将棋の桂馬のように、
まっすぐではなく、
別の場所へ飛んでいくことがある、
という話を書きました。
今回の話は、その続きです。
別の場所へ飛んでみる。
すると、そこには今まで見えていなかった
「何か」がある。
・それが新しい答えかもしれない。
・新しい方法かもしれない。
・新しい考え方かもしれない。
あるいは、ずっと自分の中にあったけれど、
見ないようにしていたものかもしれない。
私は、コーチは「答えを持っている人」
ではないと思っています。
どちらかというと、クライアントさんが
自分一人では行かなかった場所へ行く、
その手伝いをする人。
そんな感じなんです。
コーチ自身が
何か大きく変わるわけではありません。
ただ、質問をする。
話を聞く。
ときには、少し違う角度から問いを投げる。
そして、待つ。
すると、クライアントさんの中で何かが動き始める。
そこから、今までとは違う考えや発想が出てくる。
私は、そこにコーチングの面白さがあると思っています。
だから、コーチングを受けることで、
必ず「正解」が見つかるとは思っていません。
でも、
・「今まで考えたことがなかった何か」
・「考えていたけれど、自分で消していた何か」
・「心の奥にあって、まだ言葉になっていなかった何か」
そういうものに出会える可能性はあると思っています。
そして、その「何か」が見つかったとき、
人は少し動きやすくなるんですよね。
今まで一つしかないと思っていた道に、
もう一本道が見えてくる。
「こっちもあるのか。」
と思える。
私は、コーチングの価値って、
そういうところにもあるんじゃないかなと
思っています。
答えをもらう場所ではなく、
自分一人では出会えなかった
「新しい何か」に出会う場所。
私は、そんな時間を
つくっていきたいと思っています。


