PC周辺機器を使わない時はコンセントを抜く?抜かない?電源管理と注意点
ボトルネックとはどういうことを言うのか
●コンピュータの通信やデータ転送がおそい原因にはいろいろな要因があります。その中でも意外と注意がいかない部分として「ボトルネック」の存在があります。
●最新型の高速なネットワーク機器や高性能なIT機器を新規に導入したからこれで万全・・と安心するかもしれません。ところがボトルネックの存在に気が付いていないことがあります。そのため、データやネットの速度がイマイチ速くなっていないけど何で?ということになってしまいます。
●「ボトルネック」というのは何かというと、ボトル(瓶)のネック(首)という意味で、これはそのまま、ビンの途中が首のように狭くなっている形に例えて、途中に狭く通りにくい箇所があることを言います。
●わかりやすく道路事情で言うと、たくさんある車線が工事のために途中で車線が減って狭くなってしまうような状況です。そのような箇所があると当然混雑して、そこから先の車の台数は減ってしまいます。IT関連ではデータ転送や通信の際、経路途上に遅くなっている部分や遅くしている要因がある事を言います。ITの場合は単位時間あたりに転送できるデータ量(スループット)が制限されるため、その分転送時間が長くなってしまいます。これがボトルネックです。
●ボトルネックがあると最新機器の性能も十分活かすことができなくなります。ですから、せっかくお金をかけてIT環境を整えたと思っていても、実際には改善されていないことがあるのです。そうなるとかけた費用分が速度に反映されていないことになってしまいます。
●確かに新しい機器に入れ替えればその分は以前よりもいくらか早くなるかもしれません。でも、ボトルネックを無くせば導入した機器の性能をより引き出すことが可能になり、さらに高速で快適なIT環境になります。
●ボトルネックを無くすことで、期待していた処理速度が実現できるようになるので費用対効果は大きく改善されます。では、具体的にどんな場合がボトルネックになってしまうのか、事例と改善方法を述べてみたいと思います。
具体的なボトルネックの事例
●IT関連でよく見受けられる事例として、具体的に以下のような場合がボトルネックになります。今回列挙したものはサポート現場でも頻繁に見かけるもので、意外と気が付かない部分です。速度低下を撲滅したいのなら、すべての項目について検証を行ってみましょう。
機器端末内部のボトルネック
〇パソコンのメモリ規格(帯域幅)を適切に選定しないことで内部処理でボトルネックが起きる
〇メモリ容量やスロット位置が適切でないため、本来のマルチチャンネル性能が発揮できずボトルネックになっている
〇CPUやメモリ容量がハイスペックなのにおそいHDD(回転数が低い5,400rpmとかキャッシュ容量が少ない)がボトルネックになっている
※メモリに関しては帯域幅の計算ができていない場合
データ通信のボトルネック
〇USB3.x規格対応の高速転送可能な機器と端末間の接続におそいUSB2.0規格ハブ、ケーブルなどを使用することでボトルネックになる場合
〇古いHDMIケーブルにより、高解像度や高リフレッシュレート表示が正常に利用できず、本来の性能が発揮できない場合
〇リモート通信で、カメラ性能や端末、ネットワークが高速対応なのに、通信帯域不足を避けるため低解像度設定になっていて画質が制限されている場合
ネットワーク通信のボトルネック
〇イインターネット回線や端末がギガ(1Gbps)対応なのにBBルータやハブ、UTM(統合脅威管理機器)が100BASE-TXとなっていてボトルネックとなっている
〇ネットワークのどこかに古いカテゴリ5規格のケーブルが存在している
〇無線Wi-Fiルーター(親機)がg/bなどの古い規格になっている
〇無線Wi-Fi親機がn/ac/axなどの高速なWi-Fi規格なのに、無線子機(受信)側がb/gなどのおそい規格になっている
〇2.5GbEや10GbE対応環境でも途中のハブやLANケーブルが1Gbps止まりになっている
●上記のすべてが当てはまるような環境になっていると「ボトルネック」だらけということになります。データ転送やネットワーク通信の動作が遅くなるのは当然です。
●最新型のパソコンや高速転送が可能な外部記憶装置などの周辺機器、最新規格のWi-Fiルータなど新規に機器を導入しても上記のように通信環境が適切でないとその部分がボトルネックになって通信速度が遅くなってしまいます。
IT環境にボトルネックがあるかどうかを確かめて改善するには
端末のボトルネックを調べて改善するには
●まず確かめておきたいのがシステムメモリ(RAM)がマルチチャンネルになっているかどうかということです。ノートパソコンやデスクトップパソコンの場合、メモリがマルチチャンネルで動作しているかどうか確かめます。
●以下のソフトウェアをダウンロードして確認してみます。インストールは不要です、展開して実行するだけです。
CPU-z
https://www.cpuid.com/downloads/cpu-z/cpu-z_1.99-en.zip

●そもそも1枚しかスロットに挿されていない場合はマルチチャンネルにはなっていませんので、性能を十分発揮できていないかもしれません。増設することで速度改善が見込まれる場合があります。2枚装填してあっても容量や仕様が異なる場合は、一部しかデュアルチャンネル動作しないことがあります。同容量・同規格のメモリにそろえることで性能改善が期待できます。
HDDの仕様を確認してより高速なものにする
●HDD搭載PCなら、HDDの型式から回転数やキャッシュ容量を調べます。5,400rpmの場合は速度面では不利です。7,200rpmのものに換装するかSSD化したほうが良いでしょう。
※5,400rpmのHDDは発熱や消費電力が比較的少ない傾向があるため、速度より静音性や省電力性を重視する用途では適している場合があります。
●キャッシュ容量は大きいもののほうが高速転送可能です。少ない場合は交換時に容量の大きなものへ交換してください。
SSDの場合はSATAよりもNVMe
●PUやメモリが高性能タイプの場合、大容量データを扱う用途ではSATA SSDの転送速度上限(約550MB/s)がボトルネックになる場合があります。マザーボードにM.2スロットがありNVMe対応なら、NVMe SSDを導入したほうが高速です。できるだけGen4などの高速規格が望ましいですが、マザーボードの対応規格に合ったものを選びます。
●マザーボード対応がGen3の場合は、Gen4 NVMe SSDを使用しても速度上限はGen3相当となります。
ネットワーク機器の仕様を確認して100Mbpsを排除
〇Wi-Fiルータのインターネット側、LAN側双方の仕様が1,000Mbps対応になっているかどうか型式などから調べる。Wi-Fiルータやネットワークハブが100baseの場合は1Gbps対応のものに交換する。
〇Wi-Fiルータのインターネット側、LAN側双方の仕様が1,000Mbps対応になっているかどうか型式などから調べる。Wi-Fiルータやネットワークハブが100BASE-TXの場合は1Gbps対応のものに交換する。
〇Wi-Fi受信側のデバイス仕様がn/ac/axかそれ以上対応かどうか確かめる。なっていない場合は対応のものに交換するか、対応USB子機を導入する。
〇有線LANの場合、「設定」から「ネットワークとインターネット」の中の「プロパティ」を開き、「リンク速度」が1.0Gbps以上になっているか確かめる。
〇ネットワーク周りの配線規格が最低でも「カテゴリ5e」、できれば「カテゴリ6」以上になっているかどうか確かめ、古いカテゴリ5配線は交換する。
〇ルーター設定画面に入ってLANの接続状況が1,000Mbps以上になっているかどうか確かめる。
業者任せでなく自身でもチェックしておく
●このように、IT関連ではユーザーの知らないところでボトルネックとなっていることが実際のサポート現場でも多く見受けられ、費用対効果を大きく損ねています。
●設置や設定作業では、契約範囲外の改善提案までは行われない場合もあります。そのため、業者にちゃんとやってもらったから大丈夫と思い込んでしまっているユーザーも少なくありません。
●設定などでやってくる担当者は、決められた作業のみを請け負っている場合も多く、環境全体の最適化までは見ていないことがあります。しかし、ユーザーにとっては現在の環境でどこがロスになっているのか知ることは重要です。やはりユーザーもまかせっきりではなく、自身でチェックしておくことは必要です。
●ボトルネックがあるIT環境をそのまま長年使用していたとすると、その数年分のロスは明らかに損失です。技術的な部分はわかりにくかったり、聞きたくもなかったりすることもあるかもしれませんが、これがお金の話になれば事情が違うと思います。
●あなたのところにも、どこかに潜んでいるかもしれないボトルネック。是非一度はチェックしてみましょう。




