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新谷千里(しんがいちさと) / 経営コンサルタント

有限会社サミットリテイリングセンター

コラム

ウイズコロナ・アフタ-コロナ対策を考える【商人舎WEBコンテンツ6月号・原稿】

2020年6月17日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:【商人舎WEBコンテンツ・原稿】

コラムカテゴリ:ビジネス

商人舎WEBコンテンツ6月号・2020-06-17 (2).png
今回の記事のタイトルにある、ウイズコロナ・アフタ-コロナ対策は、私が、最近よくクライアントなどから受ける質問でもあります。

こういう質問に対して私は、「特別に考える必要は無い」と答えます。
それは、生産性を上げるために、基本原則を勉強し、それを実践して、スキルを上げ続ける努力を日々コツコツ遣っていれば、少々の問題が発生しても対応できるということです。

気を付けなければならないことは、コロナ禍でアップした売上が、この後もずっと続くという過信です。

コロナ禍によって、今まで誰も経験しなかったことが起こり、経済環境の変化によって、低価格志向と、ライフスタイル追求思考が、これまで以上に鮮明になってくることは予測できます。
このことが、今後の営業戦略を立てる上で、とても重要になってくるでしょう。

基本四原則の完成度

地方自治、国民性、医療制度の3つが、(現段階では)日本の感染率や死亡率を低く抑えることが出来ている要因であると思います。
これは、ビジネスにも共通することであると思います。

コロナ禍によって、スーパーマーケットの現場でのクリンリネスの出来栄えは、確実にアップしました。
品質(鮮度や味)、欠品削減、クリンリネス、接客・接遇の四原則の中で、今回のコロナ禍のおかげで、確実にその管理レベルが上がったのが、クリンリネスでしょう。

基本四原則の完成レベルがどの程度か、そして、お客目線をどの程度理解して対応しているか、現場の課題を発見し日々改善活動に取り組んでいるか、それらの結果が、企業のブランド価値を高め、業績に大きく関わることになります。

低価格志向とライフスタイル思考

外食やアパレル、宿泊施設や運輸など、幅広い業種に渡って業績が落ち込んでいます。
回復の目途も立たないことにより、廃業や休業、規模縮小、そしてそれに伴う失業者の数が増えています。

収入の減少や、将来の生活に対する不安心理から、直接的被害が無い人も含めて、低価格志向の消費者が増えることも考えられます。
このことから、もうすでに一斉値下げを打ち出している大手スーパーも有ります。
しかし、体力(資本力)のない企業が、単純にこれに追随することは、とても危険であると言えます。

しかし、全ての消費者がそれに当てはまるわけで決してありません。
一方では、「より生活を豊かに楽しみたい」と考える、ライフスタイル思考の消費者も多くいることも事実です。

コロナ禍によって、この二極化した消費思考が、今後より鮮明になってくるということになるでしょう。
これらのことは、実際売場に立ってみると、肌感覚で感じ取ることが出来ます。

ですから、あなたのお店は、どちらのお客に重点を置くかを決める必要が有ります。
そして、そのためには、そのターゲット顧客に対して、適切な営業戦略の立案が必要になってきます。

生産性をアップさせて、再投資が出来る体質になる

ビジネスを成長発展させるために重要なことは、営業利益率の高さ(生産性の高さ)です。基本的には、粗利益を上げて、コストを下げることです。このたった2つの簡単なコントロールをすることです。

ですから、そのためには、粗利益を上げるために実践的マーケティングの仕組みをつくることと、生産効率を上げるためにオペレーション力の高い仕組みを構築することです。

下の図は、私のクライアント(一部門)の事例です。
図を見ていただければ、営業利益の拡大によって、投資の原資が出来ることがイメージしていただけると思います。

事例では、7ケ月間(5月から12月)の業務改善によって、前年に比べて500万円以上の営業利益を増やしました。 
商人舎WEBコンテンツ6月号.png
この事例の場合、そのままであれば、拡大した利益に対して、税金を納め、手元に残った現金を留保しておくことも出来ます。
また、一方、その分の全額か一部を、新たな投資に回すことも可能です。
どちらを選択するかは、企業の置かれている状況や戦略によって、変わります。

ちなみに、このクライアントの社長は、基幹店舗のリニューアル計画に入りました。

コモディティとノン・コモディティ

一つは、低価格戦略です。
コモディティ商品や戦略商品(カテゴリー)を中心として、低価格戦略を取ります。この戦略は、競合店を意識したものです。

もう一つは、商品開発です。
独自の強みを持つ新たな商品(ノン・コモディティ)を、顧客に対して提供します。結果的に、その独自性は、競合店に対して、差別化戦略を組むことになります。
当然、高値入れで、新たな粗利益を稼ぎ出すのが目的です。

独自商品を仕入れて売ることや、社内で商品開発を行うには、時間とお金の余裕が必要です。

特に、商品開発で重要なことは、マーケティングの考え方と実践スキルです。
「遣ったけど、売れませんでした」という話を、私は今まで何百回も聞いてきました。
しかし、遣った内容を聞いてみると、全く実践的マーケティングを理解していない場合が殆どです。
良い商品だけでは売れるとは限りません。実践的マーケティングが加わって、その価値が伝わり、お客の支持を得て、売上に繋がるのです。

未来への投資

そして、会社をもっと堅実に成長させるには、中長期的視点が重要です。

・従業員の教育訓練
・効率的な設備の導入
・店舗の改装
などにお金を計画的に使っていくことを考えるべきです。

特に、従業員の成長は、資産運用でいうところの複利の運用と同じです。
1年目は、100×1.1=110
2年目は、110×1.1=121
3年目は、121×1.1=132
というように増えていくのが、複利の運用です。

経営者、従業員のスキルアップが、会社の利益アップに繋がります。
そのスキルアップ分のリターンが、確実に会社に帰ってきます。
計画的(戦略的)にやれば、実践を重ねることによって、年々確実にスキルはアップできます。

重要なことは、言うまでもなく、計画的に、そして、戦略的に投資をする(続ける)ことです。


■月刊商人舎[電子版]の連載記事は、下をクリックするとご覧になれます
 ⇒ 月刊商人舎 新谷千里の「お客と社員に支持される生産性向上策」

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