お金を掛けずに地震に強い家にする方法
木造住宅は一階が弱い
大きな地震のたびに、倒壊した木造家屋を見受けます。木造の二階建てであっただろうと思われる住宅が、二階部分を残して一階が潰れてしまい、まるで平屋建てだった様な外観に変わっています。
木造住宅は何故一階部分が潰れるのでしょうか。
幾つか理由は考えられますが、一番大きな理由はリビングの存在です。近年リビングは益々大きく取られる傾向にあり、耐震的に必要な壁を極力抑えて、大空間を確保しようとする為です。加えて、大開口の掃き出し窓を持って来たり、耐震壁に出来そうな壁にもデザインで小窓を設けたりする建物を数多く見かける様になりました。その為益々地震に弱い建物になっています。
昔の家もリビングはありませんが、家族が集う座敷や茶の間が田の字型に配置され、それを耐震性の無い襖等で仕切っている構造の為、新しい住宅同様二階に比べ一階が弱い構造となっています。
一階を強くするには
ではどうしたら一階を強くすることが出来るのでしょう。木造在来工法の基本は、壁を多く作る事です。木造の住宅は上から掛かる荷重に対しては、柱が支えますが、地震や台風の様な横向きの力は、柱だけでは何の役にも立ちません。積み木の家をイメージして頂ければ容易に想像できると思います。積み木の家も上からの力には、ある程度頑丈ですが、横向きの力には無力です。
すなわち、リビングを出来るだけ小さくする事なのです。
どうして広いリビングが必要なのでしょうか。
核家族化が進み、家族の構成もひと昔前程大家族ではありません。また家族が集うのは食事の時間くらいで、後は各自が個室に籠る様なライフスタイルが一般化しているのではないでしょうか。
それでも、リビングを広くしたい願望に駆られるのは、リビングにモノを置きすぎている為です。確かにリビングで一日の大半を過ごす場合、生活の道具がリビングに全て揃っていれば楽です。しかしそれが習慣化してしまうと収拾のつかない、人がいる納戸と化してしまいます。
地震に強く、すっきりとしたリビングを造ろうと思えば、リビングを細分化する事です。なんでもかんでも大きなリビングでしようとせず、目的に合わせてリビングを細分化し、各コーナーコーナーを耐震壁で仕切る事をお勧めします。
リビングの一部を家事室にしたり、キッチン横にパントリーを設けたり、リビングの傍にファミリークロークを設けたり、してリビングには何も置かない様にする事です。そうすれば、リビングを広く使え、地震に強い家になります。