地震が起きたら大阪平野に安全な場所はない。
震度階と倒壊件数は必ずしも比例しない
日本で震度7を記録したのは阪神大震災が初めてです。10万を超える倒壊件数が出た為、今までの震度階を改める必要があったのです。
少しうがった見方をすれば、震度階の最高が震度6のままでは、耐震に関する現行の基準が甘すぎたと非難を受けかねないために、慌てて震度7を創設したともいえます。
単に震度7を創設すれば良かったのですが、その時に、現行の震度階の算出方法まで変えてしまったのです。それまでの震度階は建物の倒壊状況を目視で確認しながら、予報官の主観で決められていました。新しい震度階は、重力加速度(単位gal)の大きさに合わせて、発表する事になったのです。その為地震が発生した直後に、震度〇と発表が出来るようになったのですが、建物の被害状況と連動しなくなってしまったのです。
倒壊件数の少なかった東日本大震災の揺れ
東日本大震災の揺れは、場所によっては2000galを超えています。新しい震度階では600gal以上が震度7になりますので、東日本大震災はまぎれもない震度7なのですが、地震による建物の倒壊件数は多くはありませんでした。
倒壊件数が10万棟を超えた阪神大震災
阪神大震災の揺れは、881galを観測していました。東日本大震災よりも重力加速度は小さいのですが、10万棟を超える家屋が倒壊しています。
重力加速度は、素早く揺れる程大きくなりますが、揺れ幅は考慮されていない単位です。阪神大震災は、東日本大震災ほど素早くは揺れなかったのですが、揺れ幅が大きかったのです。この大きな揺れ幅と、建物の振動周期が一致してしまい、多くの家屋が倒壊する要因となりました。
運が悪ければ、震度5強で倒壊する。
建築基準法で、定められている耐震基準は400galに耐えられる事です。400galを現行の震度階で表現しますと、震度5強です。つまり、現行の建築基準法では、震度5までしか、安全は保証されていません。それでも、耐震基準を改正せず、400galのままにしているのは、重力加速度と倒壊件数の多さが必ずしも一致しないからです。
建築基準法は、条文の最初に明記されていますが、建物の最低の基準を定めたもので、それで満足と云うものではありません。合法的に建てられている建物だからと云って、最低の基準をクリアしているにすぎません。
もっと詳しくは、こちら地震で共振してしまう恐怖