上棟式
着工前の節目のイベント
工事の着手前には地鎮祭を行います。地鎮祭の準備は工務店さんと共同で執り行います。
工務店さんと都合の良い、また縁起の良い日を決めて執り行います。主に現場の設営は工務店さんの仕事です。現場の下草を刈ったり、祭壇を設ける位置の四方に竹を設け、しめ縄をつけたりします。また、手を清めたりする手桶や柄杓を用意するのも工務店の仕事です。
建築主は、氏神様である神社へ行き、社務所で希望予定日を告げ、神社の手配をします。そして供物の用意をどうするのか神社に確認します。神社によって、祭典費と共に供物代も渡す場合と、供物は自前で用意する場合があります。
写真は、祭壇が組みあがった状態の写真です。祭壇は神主さんが設営しますが、手が空いていれば荷物運び等のお手伝いをして下さい。
この状態で地鎮祭が始まります。神事の式次第は以下の通りです。
●修祓(しゅばつ)参列者・お供え物を祓い清める作法で、御祓いを受ける際は軽く低頭します。
●降神(こうしん)その土地の神様迎える儀式。神主が「オ~」と声を出して降臨を告げます。低頭します。
●献饌(けんせん)神様に供物を食していただく神事。ここは神主の作法を見ているだけです。
●祝詞奏上(のりとそうじょう)神様に家を建てる事の報告と安全を祈願するメインの神事です。奏上間低頭します。
●四方祓(しほうはらい)土地の四隅まで神主さんが歩いて行きお祓いをします。建築主さんは、基本的に作法を見ているだけですが、場合によっては清め物を持って回ったり、御祓いのお手伝いをする事があります。
●地鎮(じちん)設計事務所の代表が、盛られた砂山の上の草を刈る神事をします。(斎鎌いみかま)。次に神主さんが、鋤(スコップの様なもの)を渡してくれますので、砂山の頂上に穴を開けます。作法は「エイ、エイ、エイ」と声を発しながら、左・右・手前と鋤を入れます。その後、神主さんが鎮め物を埋納し、工務店さんが鍬で砂山を盛ります。
●玉串拝礼(たまぐしはいれい)神前に玉串(榊の枝に御幣を付けたもの)を奉典します。神主さんが最初に作法を行いますのでそれに習って奉典します。具体的には、右手で幹を持ち、左手で葉の部分を下から添えて、息が掛からない様に捧げ持って祭壇の前まで行きます。そこで玉串を立てて祭壇に拝礼し、工事の無事を祈願します。そして玉串を時計回りに回転させ、幹を祭壇の方向に向くように前の台の上に置きます。
その後、二礼二拍手一礼の作法で拝礼します。
●撤饌(てっせん)酒と水の蓋を閉じ、お供え物を下げる。見ているだけです。
●昇神(しょうしん)神籬に降りていた神をもとの御座所に送る儀式。低頭します。
この後に閉式が行われて、御神酒を頂いて終了します。
地鎮祭でいつも不思議に思うのですが、神事の最中に急に風吹いたり、遠雷が聞こえたり、日差しが出たりと云った自然現象を感じます。人が一心に祈願するので、神様が応えてくれているかの様です。
家造りの吉祥ですので、地鎮祭は行う様にしましょう。
建築の神事では、もう一つ上棟式がありますが、これは神事よりも現場慰労の意味合いが強くなります。
後日改めてコラムにします。