南海地震の発生確率が上昇しました。
まずは耐震診断
手持ち資金にゆとりのある方は専門家に依頼すれば、直ぐにでも耐震改修工事が出来ますが、手持ち資金が不足している方にも耐震改修工事の道が開けています。
殆どの行政で、来るべき大震災に備えて耐震改修工事の助成金制度を整えています。地震は発生してからお金を掛けるよりも、発生する前にお金を掛けて置く方が経済的負担は少ないのです。
震災直後は需要と供給のバランスが崩れます。人も資材も不足して、平常時であれば10万円前後で出来る仕事も、震災後では100万円以上掛けても満足な仕事が出来ないと云う事を、阪神大震災で経験しています。
助成金も予算枠の範囲内でしか給付されません。申し込みが殺到すれば打ち切られます。思い立ったらすぐに行動を移すべきです。
耐震改修の第一歩簡易耐震診断
助成金を受けながら耐震化を図るには手順があります。その第一歩が簡易耐震診断です。
まず初めに、所轄行政に簡易耐震診断を申し込みましょう。簡易耐震診断は、その建物が耐震改修工事が必要な建物かどうかを診断する作業です。時間がは30分~1時間程度掛かります。その診断で耐震評点が0.6以下と診断されれば次のステップへと進みます。簡易耐震診断を受けられる対象は、昭和56年以前の建物が対象ですが、大阪市等では平成12年以前の建物を対象としています。
耐震診断業務は建築士が耐震診断業務の講習を受講して耐震診断業務に当たっています。行政で紹介してくれる場合もありますが、基本はインターネット等でお近くの設計事務所に問合せされて耐震診断を依頼される方が多いです。私も耐震診断業務を行っております。プロフィールをご参照下さい。
費用は5万円が相場です。その内9割の4万5千円は行政が負担してくれます。(立て替え払いが必要です)
一般耐震診断と改修設計
簡易耐震診断で評点が0.6以下となった建物が対象となるのが一般耐震診断です。一般耐震診断は建物の弱点はどこか、補強するには何が効果的かを調査する業務です。これも耐震診断講習を受講した建築士が業務に当たります。
調査に1日、診断結果及び改修設計が完了するのに1~1.5ヶ月かかります。一般耐震診断・改修設計に要する費用は概ね50万円程度です。これも一般耐震診断・改修設計の助成金申請を行えば、費用の1/3程度の助成金が下ります。
耐震改修工事
改修設計が完了すれば、いよいよ耐震改修工事となります。これも助成金が活用出来ます。行政により費用は異なりますが、70~150万円程度助成されます。耐震改修のみ行えば費用は300万円以内で納まる場合が多いですが、殆どの方は同時にリフォームも行われますので、掛かる費用はバラバラです。