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コラム
高気密高断熱住宅の換気方法
2018年6月4日
換気方法の種類
換気システムは大別して三つに分かれます。
第一種換気=強制給気・強制排気
第二種換気=強制給気・自然排気
第三種換気=自然吸気・強制排気
強制と云う事はファンを設けて機械的に換気する事を云いますので二種換気・三種換気に比べて一種換気は割高になるのは容易に想像できます。
しかし、ダクトを用いるかどうかは換気種別の中では全く問われていません。
同じ一種換気でもダクトを設けるタイプと設けないタイプがあります。
例えば、居室の外壁に穴を開けて換気扇を一つだけ設け、その換気扇を一定時間毎にファンを正転・逆転を繰り返す様にセットしてやれば、穴開けが一か所で済む為二種換気・三種換気よりも安い一種換気が出来上がります。
しかも、ファンの手前に吸湿性に優れたフィルターを置いてやると、ただ空気の出し入れをするだけでなく、潜熱換気を利用した熱交換も行ってくれます。
これも第一種換気です。
通常の第一種換気は、床下に給気ファンと排気ファンを設けたユニットを設置し、ダクトを通じて各室に給気口・排気口を設けユニットの中で熱交換を行いながら、換気するものです。熱交換する際にフィルターに微小な穴が空いていて水蒸気の移動が可能な物を潜熱換気と云い、フィルターがプラスチックの様なもので出来ていて水蒸気も通さない物を顕熱換気と云います。
冬場家の中の空気は暖かく水蒸気も豊富に含んでいます。外気は当然ながら冷たく乾燥しています。顕熱換気の様に水蒸気の交換を行わず、熱交換だけする場合、室内には温度の高い非常に乾燥した空気が流入する事になります。
逆に夏場は、室内の空気は涼しく乾燥しています。外気はこれも当然ながら暑く水蒸気を多量に含んでいます。これを水蒸気の交換を行わず、熱交換だけする場合、室内には温度の低い非常に湿度の高い空気が流入する事なります。
日本の風土に顕熱換気は全く適していない事が以上の事からよく分かります。
しかしながら、何故顕熱換気が存在するのかと云いますと、潜熱換気は水蒸気の移動だけでなく、ウィルスの様な微小な病原菌も移動するのではないかと云われているのです。そうなれば家全体に同じ空気が循環するのですから、一人がインフルエンザに罹れば家族全員に感染する可能性があるのです。
その事を考えると冒頭に書きました部屋ごとに穴を開けてダクトを用いない第一種換気もおもちゃの様な換気システムですが、あながち捨てたもので無い事がお分かり頂けるかと思います。
私は三種換気より一種換気をお勧めしますが、一種換気にお金を掛けても、掛けた値段と快適さは比例しないと考えておくべきです。
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