地震が起きたら大阪平野に安全な場所はない。
上町断層帯の被害想定
大阪府は上町断層帯が引き起こす地震について被害想定を発表しています。それによると府下全体で死者は一万人を超え負傷者は十万人に達しています。地震規模は震度7と阪神大震災と同規模ですが、被害は阪神大震災を上回ります。
大阪平野は淀川と寝屋川が運んで来た土砂が堆積した沖積層の平野です。その為常水面が浅く地下水が豊富です。簡単に云えば泥の上に都市が形成されているのです。
阪神大震災の時は建物に大きな被害が出ましたが、それでも神戸は六甲山の扇状地に形成された都市で、地盤は比較的頑丈でした。その固い地盤の上でも死者六千人を超える被害を出したのですから、死者一万人の被害想定は過少ではないでしょうか。
特に大阪市は地下鉄網が発達しています。泥の中を地下鉄が走っているのです。大阪平野を流れる川の下を地下鉄が走っており、地震でトンネルが破壊されれば水没の危険があります。また中央線・千日前線・鶴見緑地線は上町断層帯を横断しています。ひとたび上町断層帯が動ければ、トンネルは寸断されてしまうでしょう。
見えた!上町断層
普段道を歩いている時などは、特に上町断層帯を意識する事はありません。しかし先日あべのハルカスに上った際に、上町台地付近を眺めていると、綺麗に上町断層帯を目視する事が出来ました。地図だけでは絵空事の様に現実問題として伝わっては来ないのですが、この目で見てしまうと、現実味を帯びて来ます。
上町台地は東斜面がなだらかで、西側斜面は崖と云っても良いほど急峻です。その西斜面を下った先に断層が走っています。
人類が文字を発明してから上町断層は活動した事がありません。つまり史実として語り継がれる事の無い断層帯です。しかし、平均活動間隔は8000年とされている中、実際に動いたのは最新でも18500年前とされています。つまり平均活動間隔の二倍以上沈黙しているのです。と云う事は上町断層帯がいつ動いても全く不思議ではないと言う事です。
大阪市の対策
大阪市も上町断層帯の危険性を熟知しており、都市防災に積極的に取り組んでいます。住宅密集地を整備し、都市の不燃化を促進させる助成金制度や、耐震診断・耐震改修と云った建物の健全化を促進させる助成金制度が整備されています。
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世界的に有名で人気のあるゴジラは、突然人々を襲い散々街を破壊して涼しい顔して海に帰って行きます。ゴジラは映画の中の話しで、実際に存在するはずもありませんが、突然襲い都市を破壊すると云う意味では地震はゴジラと同じです。
上町台地の下で、ゴジラが息を潜めて暴れまわる時を探っているのです。