お金を掛けずに地震に強い家にする方法
上町断層が動けば大阪は壊滅する
大阪の中心部を南北に走っている断層が上町断層です。大阪市内で言うと松屋町・下寺町筋付近を断層が走っています。この地震が恐ろしいのは、発生確率の高さです。今後30年以内に発生する確率が2.89%もあるのです。
南海地震の30年以内の発生確率が70~80%と云われていますから2.89%なんて全然大した数字じゃ無いと思い勝ちですがそうではありません。
発生確率の算出法は発生する周期の長さを分母とします。南海地震は100~150年が発生周期ですが、上町断層は8000年なのです。
発生確率2.89%は、もういつ上町断層が動いても全く不思議ではない値なのです。その証拠に8000年周期の上町断層は過去18500年動いた形跡がありません。云ってしまえば地震エネルギーが溜まりに溜まっている状態です。
予想されるマグニチュードは7です。阪神大震災がM7.2でしたので、同規模の地震が想定されています。阪神大震災の時は、軟弱地盤が海岸沿いに限定されていましたので、6000余人の死亡者を出したものの、まだ被害は少なかった方だと考えています。阪神大震災と同規模の地震が大阪で発生すれば、上町台地を挟んで東西に広がる軟弱地盤の一帯で家屋の倒壊や、引き続き起こるであろう火災で阪神大震災とは桁の違う死者が出ると考えています。
地震で怖いのは津波だけじゃない
南海地震で想定されている津波対策の為に、大阪湾一帯の防潮堤を強化する事が検討されています。しかし上町断層が動けば、津波は発生しませんが、津波と変わらない水被害を受ける可能性があります。それは地下街です。
大阪平野には水を湛えた河川が何本も流れており、その地下には縦横無尽に地下鉄が走っています。上町断層が動いて川の底を通っている地下鉄のトンネルが崩壊すれば、河川から濁流が地下を襲います。地下は比較的安全と云われて来ましたが、阪神大震災では神戸電鉄の大開駅が崩落しています。
この様な事が淀屋橋駅付近で起こればどうなるでしょうか。大阪の地下街は殆どが常水面下にあります。津波は時間が経てば水は引きますが、川の水は引く事がありません。地下鉄の路線内には出水事故対策で揚水ポンプ施設もありますが、河川からの水の流入に対処できるほどの施設はありません。
大開駅の崩落で地下が安全と云った神話は通用しなくなっています。しかし、阪神大震災から、23年が経過しますが、淀屋橋付近で川を堰き止めて、トンネルの補強工事を行った形跡はありません。(駅舎は補強されています)
火災の教訓も活かせてるとは思えない
上町台地の西側はビルが林立し、都市の不燃化は促進されていますが、台地の東側は生駒山の麓まで、木造住宅が密集しています。地震時は断水しますので、ひとたび火災が発生すれば火を消す術がありません。阪神大震災の時も燃えるに任せる状態が続きました。地震時の火災に対する有効な対策をまだ行政は打ち出していません。